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飲み水よりも「トイレ」!被災者の尊厳を守り、災害関連死を防ぐための最優先事項|防災研修での学び

枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。

 2026年2月24日は、「能登半島地震における避難所および災害対策本部の課題と対応〜男女共同参画の視点」についての研修を受講しました。講師は、吹田市防災政策推進監・大阪大学安全衛生管理部招へい教授 有吉恭子よりご講義を頂きました。

 今回の講義の内容を備忘録として、また私の理解と考えをまとめることも含めて追記もしています。

避難所のトイレ事情とキャラクター


「飲み水よりもトイレ!」
研修で突きつけられたのは、被災地の過酷なリアルでした。

避難所での「平等」が「配慮不足」を生んでいないか?
尊厳を守り、災害関連死を防ぐために、議員として、一市民として今何に注目すべきか。
心に深く刻まれた学びをブログにまとめました。


 

 

能登半島地震から学ぶ避難所・災害対策本部の課題と対応

 

 

 大きく分けて「避難所」、「災害対策本部」、そして双方を貫く「共通課題」という3つの視点から、見えてきた課題を整理します。

 

 

1.避難所のリアル

噴出する「住民の不満」

「平等」と「配慮」は同じではない

 災害が長期化すると、避難所では多様なニーズへの配慮不足が深刻な不満へと繋がります。

  • 「平等」が「配慮」を欠く原因に: 「全員同じ」であることが、女性、子ども、高齢者、障がい者などの個別ニーズを埋没させてしまう。生理用品の不足や更衣室・授乳室の欠如など、ジェンダー視点の欠如は、避難所における二次被害や強いストレスの引き金となる
  • フェーズで変わる苦情の内容: 最初は「物資」への不満ですが、次第に「トイレの汚れ」「感染症」「騒音(いびき・子どもの声)」「プライバシー」へと変化する。「またパンか!」という怒声が飛ぶのも、現場の切実なリアル。
  • 役割分担の罠: 「みんなで協力」は大切ですが、気づけば特定の層(女性など)ばかりが炊き出しや掃除を担ってしまう「性別的役割分担」が固定化しないよう、細心の注意が必要。
避難所誘導する人々

避難所の苦情

フェーズが変わると苦情も変わる

  1. 物資配布の混乱 (配慮がない、平等じゃない)
  2. トイレが汚い (掃除してほしい)
  3. 感染症が蔓延する(感染症対策をしてほしい)
  4. 役割分担が不公平(何も手伝いしない人がいる)
  5. うるさい (子ども、歓談、酔っぱらいなどのルールを決めて)
  6. 電源が足りない (延長コードを勝手に増やしてボヤ発生やブレーカーが落ちる)
  7. プライバシーがない ⇔ テントの中で孤独だ
  8. 自分のスペースの場所は選べない(となりの人のいびきがうるさい)
  9. 犯罪被害にあいそうだ(性被害盗難,家庭内暴力等)
  10. またパン?何回食べさせるの💢
黒いシルエットの画像

 

みんなでできる、役割分担

役割分担の工夫は細心の注意が必要

  • 配膳・ごみ捨て・トイレ掃除は誰がするのか?
  • 多様なニーズを受けられる環境には、性別的役割分担女々格差があることに注意が必要
  • 男性も子どもも高齢者もできる役割がある

避難所の炊き出しと物資配布

 

 

 

2.災害対策本部(市役所内)の課題

意思決定と市役所内の「場所取り」

平時に決めておかなければ、ならないもの

 一方で、行政の司令塔となる災害対策本部にも、有事ならではの壁が存在する。

  • 意思決定の遅れ(会議が長くなる): 長過ぎる災害対策本部会議の対策は?役所の意思決定方法を変えずにスピードアップする必要がある。(事前の調整会議も必要だし、会議資料を作ることも必要)
  • 発災時の庁舎内における「場所取り」問題:平時からレイアウトを決めておかなければ、応援できた国、自衛隊など職員に場所を占拠される⇒情報集約の導線すら占拠され、混乱を招きます。

 

研修での災害対策本部会議の様子

 

 

3.双方を貫く共通項:トイレと職員のモチベーション

 避難所と対策本部、立場は違えど共通して浮き彫りになった極めて重要な課題が2つあります。

①トイレ問題は「尊厳」の問題

トイレは最大の問題!飲水よりトイレ!

 避難所におけるトイレの衛生環境や男女別の確保は、被災者の健康状態(災害関連死など)や尊厳に直結します。同時に、対策本部で不眠不休で働く職員にとっても、トイレの確保は深刻な問題です。

 何よりもまず守るべきはトイレ環境です。

 仮設トイレは汚れる。ドアが壊れる。

避難所のトイレ、困惑する住民

②市役所職員のモチベーション維持

職員の登庁率を上げる。市役所内の環境改善!

 対応にあたる市役所職員自身もまた被災者です。登庁できない職員がいる中、登庁した職員は住民からの不満を直接受け止めながら、終わりの見えない激務で睡眠も取れないトイレも流れない市役所で、いかに職員の心身のケアを行い、登庁率を維持するかが、行政機能維持の最大の鍵となります。

 

災害対策本部の職員、防災マップ、タブレット

 

 

4.災害対応業務マネジメン

災害対応は「頭脳戦」であり「受援力」

災害対応は、単なる体力勝負ではない。

  • 災害対応とは,頭脳戦(×場当たり対応,○目標管理型災害対応)
  • 災害対応とは,資源調整(ヒト・モノ・情報・スペースを調整力で)
  • 災害対応とは,想像力(像を想う,イメージするチカラで・・・)
  • 最も重要なのは、受援力(全力尽くしても、なんとかなるものではない。避難所も物資も他から応援にくる前提)

災害対策本部会議、避難所開設と物資輸送

 

 

関連する情報(ばんしょうの発言)

【質疑】2025年3月12日 予算特別委員会

かわまちづくりの拠点は広域避難場所として必要な整備とも考えられる

【一般質問】2024年12月17日 令和6年12月定例月議会

万博で枚方へ「来てね」と言うなら、公衆トイレの整備は必須では?

 

 

一人ひとりが笑顔、ひらかた万笑!

 

 

 今回の研修会。吹田市防災政策推進監・大阪大学安全衛生管理部招へい教授 有吉恭子氏の講演。改めて「想像を超える事態」が起こり得ることを痛感しました

 現場で立ちすくまずに、私に何ができるのか。家族を、隣人を、そして枚方市民一人ひとりをどう守り、笑顔を取り戻せるのか。

 特にトイレへの関心は、一人ひとりを笑顔に直結する!何を差し置いても、この問題にはこれまで以上に深く取り組んでいかなければならないと決意を新たにしました。

ワンピースで目隠し簡易トイレ

平時にはやっぱりできない。。。