枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。
10月27~28日は、枚方市議会 総務常任委員会 先進都市研修で東京都新宿区、神奈川県横須賀市に行ってきました。今回は、新宿区の外国人施策についてまとめました。
新宿区役所
近年、枚方市でも外国人住民の増加が進んでおり、誰もが安心して暮らせる地域社会の実現に向けた支援体制の整備が求められています。今回の視察は、先進的な取り組みを行う新宿区の実例を学び、今後の施策検討に活かすことを目的としたものです。
新宿区には2025年10月1日現在、約5万人の外国人住民が登録されており、全住民の約14%を占めています。国籍別では中国、韓国、ネパールが上位を占め、年齢層では20代が最も多く、留学生の多さが背景にあります。人口動態では、自然動態(出生・死亡)よりも社会動態(転入・転出)が圧倒的に多く、外国人の流動性が非常に高い地域です。
就労状況については、多文化共生実態調査を実施。「事務職・営業職」「技術者・エンジニア」が多い一方で、「仕事・アルバイトをしていない」層も一定数存在しているようです。
【新宿区】
- 人口増傾向
- 日本人減
- 外国人増・外国人率増
【枚方市】
- 人口減
- 日本人減・外国人微増
- 外国人率微増
【日本】
- 人口減
- 日本人減・外国人増
- 外国人率増
【新宿区】 20〜24歳の外国人率は37.3%!
【枚方市】 顕著な高齢社会
【日本】 枚方市より多い若者の外国人率
※外国人人口は在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表より
【新宿区】 とにかく出入りが激しい(喪失人口率※13.4%・外国人のみ33.7%)・外国人は国外から直接転入者が多い
※喪失人口率:死亡者、転出者など減少した人口を年末の総人口で割ったもの
【枚方市】 外国人の入れ替わりが激しい(喪失人口率4.7%・外国人31.1%)・出生者の2倍の死亡者
【日本】 外国人転入者が66万人・出生者の2.3倍の死亡者
※住民基本台帳人口・世帯数、令和6年(1月1日から同年12月31日まで)人口動態(市区町村別)より
新宿区では、外国人住民の生活支援を目的に、区役所本庁舎および「しんじゅく多文化共生プラザ」に外国人相談窓口を設置しています。相談対応は英語・中国語・韓国語をはじめ、タイ語・ネパール語・ミャンマー語にも対応しており、その他の言語についてはテレビ電話による通訳システムを活用しています。
令和6年度の相談件数は6,175件にのぼり、手続き一般(1,640件)、社会保険、マイナンバーなどが主な相談内容でした。本庁では、1階の手続きコーナー近くに相談窓口があるため、手続きの相談が多いと思われるとのこと。
相談員は区の外郭団体「公益財団法人 新宿未来創造財団」によって委託されており、外国語対応が可能な人材を確保しています。また、通訳・翻訳ボランティアの登録制度も整備されており、行事等での通訳派遣にも対応しています。相談員にはベテランが多く、相談員の世代交代の際の、スキルの継承が課題とされました。相談員は、区の窓口だけでなく、国や都の窓口についても把握する必要があるとのこと。
新宿区では、外国人向けの生活情報誌「新宿生活スタートブック」(日本語ルビ付き・英語・中国語・韓国語・ネパール語・ベトナム語・ミャンマー語)や動画による「新宿生活スタートガイド」(英語/中国語/韓国語/ネパール語/ベトナム語/ミャンマー語)、SNSなどを活用し、多言語による情報発信を行っている。また、日本語教室の設置や子ども向け日本語支援、ボランティア育成など、教育面での支援も充実している。
地域との交流を促進するため、「多文化共生まちづくり会議」や「多文化共生連絡会」などの場を設け、外国人住民と地域団体が協働する仕組みも整備されている。
ホームページ等で相談窓口の周知を行っているが、情報が行き届かないことも考えられる。外国人コミュニティを通じた周知が効果的と考えているとのことですが、すべての人がコミュニティに属しているわけではない。また、外国人の中には行政に対する信頼性の低い方々が多くいる。これらの方々と繋がることは非常に難しいのかも知れない。
新宿区では、外国籍の児童・生徒が年々増加傾向にある。2025年は小学校で5.4%、中学校で8.5%が外国人になっており、教育現場では日本語指導や学習支援の体制強化が求められている。
国籍別では、中国(4割)、韓国、ネパール、ミャンマー、ベトナムなどアジア諸国の出身者が多く、言語や文化の違いに配慮した支援が不可欠となっている。
新宿区では、外国籍児童への「日本語サポート指導」や「子ども日本語教室」などを通じて、教育の機会均等と学習環境の整備に取り組んでいる。特に初期指導(サバイバル日本語*)にどうつなげるかが最大の課題。
また、外国籍児童の保護者に対しても、生活情報の多言語提供や相談支援を行うことで、家庭と学校の連携を促進している。
※サバイバル日本語
日本語を話せない、または理解が十分でない児童生徒が入学してきた場合、まず重要になるのが「サバイバル日本語」の支援です。これは、文法や教科の内容を学ぶ前段階として、学校生活を安全に過ごすために最低限必要な日本語を習得することを目的としています。たとえば、「トイレに行きたい」「具合が悪い」「分かりません」「もう一度言ってください」といった、生活や授業参加に直結する表現です。特に初期段階では、言葉を通じて「安心できる居場所」をつくることが最優先であり、教員は、身振りや絵カード、多言語サポートアプリなどを組み合わせ、子どもが「伝わった」「分かった」という成功体験を積めるよう支援している。
今回の視察を通じて、外国人相談窓口の設置場所や運営形態、ICTの活用、外郭団体との連携による柔軟な人材確保、小中学校での取り組みなど、多くの示唆を得ることができました。特に、相談員のスキル継承やニューカマーへの情報伝達の工夫は、枚方市においても重要な課題です。
今後、枚方市においても「誰もが安心して暮らせるまちづくり」を目指し、多文化共生の視点を取り入れた施策の充実に努めてまいります。
眠らないまち歌舞伎町にある新宿区役所。非常にきめ細かい外国人政策が考えられていました。しかし、1年間で外国人人口の3分の1は区外に流出するデータになっています(枚方市でも3割ほどは流出します)。市区町村が個々でできることは限られているし、そもそも日本のようなきめ細かな市区町村での手続きと管理に恐怖を覚える外国人も少なからずいると教えてもらって納得でした。また、もう一つ心に残ったのは「地道で粘り強い取り組みが必要」とのこと。特に人が絡む問題ですので、これが重要です。
今もこれからも市民一人ひとりを笑顔にする。外国人と一括りで語ることは間違いを生むかも知れませんが、より多くの隣人が理解し合いながら、笑顔で生活できるまちを創っていきたいと思いました。



















