枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。
令和6(2024)年度決算を一般会計に引き続き、企業会計(上水道・下水道・市民病院)の主要なデータをグラフ化して、私なりの考えをまとめてみました。
安定的な利益率を確保。事業収益(≒ 総配水量)は減少傾向が続く
水道事業の収益的収支では、利益率が19.1%になるなど、収益率、構成比率、財務比率などの指標で、健全で安定した経営が維持された事業運営となっています。
しかし、給水人口の減少や節水機器の普及などにより、総配水量の減少は続いています。また、中宮浄水場の更新事業が行われているなど、老朽化した水道施設や管路の更新も必要となっており、今後、事業環境は厳しさを帯びていくものとされています。
新中宮浄水場イメージ
安定的な利益率を確保できた
水道事業収益と水道事業費用のグラフです。安定的な利益が確保できていると見えます。一方で、収益は減少、費用は増加となっており、利益率では過去5年でもっとも小さい値(19.1%)となっています。詳細はこの後見ていきます。
配水量は減少傾向が続いている
配水量は、年々に減っています。減少傾向が続いています。
減価償却費が増加傾向
減価償却費の増加は、配水設備改良工事や津田低区配水場耐震補強工事などが要因です。
今年度は、中宮浄水場建設工事等で起債増
水道事業は、投資資産の大きい事業ですから、貸借対照表も確認しておく必要があります。令和6(2024)年度は資本比率は微減。また、負債比率は増加、流動比率は減少、起債が多かったようです。主要因は、中宮浄水場の建設工事開始による起債によるものとなっています。
上昇傾向。新浄水場の建設、職員の給与が原因。
給水原価は、若干の上昇傾向が見られます。
新浄水場の建設による減価償却費の上昇傾向、職員の給与改定が主な要因です。動力費(主に電気料金)は落ち着いたと見るべきなのか。。。
管路耐震化は徐々に徐々に進められている
管路の耐震化については、中宮浄水場~春日受水場間送水管更新事業に着手。また順次、耐震管の布設などで実施しているとのことで、数字的には少しずつの上昇となっています。
下水道事業収益は増加したが、利益率は減少傾向
令和6(2024)年度決算では、事業収益が増加したものの、費用についても、流域下水道維持管理費の増加によりから、利益率は減少傾向です。
今後、老朽化対策を始め局地的豪雨や地震など自然災害に対応するため、汚水事業において、甲斐田町地区、津田駅前地区などで汚水管布設工事、雨水事業ではポンプ場の受変電設備更新工事や市内各ポンプ場の耐震化事業などが実施されています。
下水道事業収益と下水道事業費用のグラフです。
大きな変化がなく推移しているようにも見えますが、汚水事業と雨水事業とを分けて見てみる必要があります。
今年度は、中宮浄水場建設工事等で起債増
汚水は、下水道使用料を徴収し、事業を行っています。
下水道事業(汚水)収益と下水道事業(汚水)費用のグラフです。利益率は微減となっています。
下水道使用料は横ばいから、微減が続いていましたが、微増に。繰入金では、分流式下水道増加によるものとされています。
費用の多くは、減価償却費であり、そこはほぼ一定、若干上昇傾向。令和6(2024)年度も流域下水道維持管理費※が増加。
※流域下水道維持管理費とは
大阪府が行う流域下水道事業のうち、
- 幹線管渠やポンプ場、処理場【渚水みらいセンター、鴻池水みらいセンター、なわて水みらいセンター】などの維持管理経費(運転・保守・修繕)
- 職員人件費、電気料、薬品費、汚泥処理費などの運転経費
- 管路・設備の更新に関する資本的支出の一部負担
これらの経費の一部を、汚水を流している市町村が負担する経費
雨水については、全てを一般会計からの繰り出しで賄われていますので、グラフは省きました。
令和6(2024)年度の収益的収支は、2年連続の赤字。そもそもの収益(売上)が減少しています。主な理由は一部病床閉鎖、新型コロナ患者減少と診療報酬の臨時的な扱いの終了とされています。令和5(2023)年3月に策定した「市立ひらかた病院経営強化プラン」からは大きく乖離する結果となっています。想定を超える患者数の減少や人件費の増加により、経営の深刻さが増しています。
市立ひらかた病院
2年連続の赤字、赤字拡大
収益的収入と収益的支出をグラフにしました。
令和6(2024)年度は、昨年に引き続き2年連続の赤字決算となりました。しかも、赤字額は大きくなっています。赤字の主要因としては、勤務する看護師不足による一部病棟の休棟、新型コロナウイルス感染症患者の減少および同感染症に関する診療報酬における臨時的な取扱いの終了に加え、空床補償を始めとする同感染症関連補助金の減少とされています。
赤字が常態化。コロナ関連の補助金がなくなった
看護師不足による一部病棟の休棟などにより、入院、外来収益が減少傾向が続く。しかし、グラフで見ると明らかに減ったのは空床保証などコロナ関連の補助金です。
人件費の増が事業費用増に直結する構造で、人件費の増加が直撃
職員給与費が、看護師不足で一部休棟しているにも関わらず、増えています。人事院勧告に伴う給料表の改定によるものですが、非常に厳しいものがあります。
非常に高い病床稼働率。どこを改善すれば??
一般病床の稼働率はかなり高い状況。ただし、令和6(2024)年度は分母となる年延病床数が一部病棟の休棟により、令和5(2023)年度から更に減少している。
医業収益の赤字は固定的。何ができるのか?
令和4(2022)年度と比べ、令和6(2024)年度は医業収支の大幅な悪化が確認できます。病院のそもそもの仕事である医業収支はこれまでもずっと赤字で、改善どころか、赤字額が大きくなっています。コロナ補助金で一時的に黒字になっただけという見方、昨今の物価高騰に対して診療報酬がそのままになっていることも、赤字拡大の一因です。
水道事業、下水道事業とも、計画的に収支をコントロールして事業を行ってきたように見受けられます。しかし、配水量が減ってきており、またいわゆるインフラ更新(新浄水場、管路の耐震化、ポンプ場の耐震化など)の時期が迫ってきているため、今後の動向は人口規模に合った投資と市民ニーズに対して最大の成果が出る方向で進んでいるのかという視点で見てまいります。
病院経営は、難しい局面を迎えています。どんな収支状況を求めるのか、市民が必要な機能は何なのか、市民の合意をもって新たな局面も考えていかねばならないと考えています。
単年度で見るべきものもありますが、事業は続いています。トレンドをグラフを確認しながら、あるべき方向を考えていく必要があります。一人ひとりの笑顔を目指して事業が行われているか、そして企業会計は本当は、資産、キャッシュフローも含めて複眼的に見ることができます。これからも、慎重に目を凝らして見ていきたいと思います。





















