枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。
2025年8月28日、枚方市議会9月定例月議会を前に、「総務委員協議会」が開催されました。私は委員として出席しました。
「総務委員協議会」の所管は、危機管理室、市長公室、総合政策部、総務部、観光にぎわい部、会計管理者、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員及び農業委員会に属する事項並びに他の常任委員会の所管に属しない事項になります。
今回の総務委員協議会の協議案件は4件でした。
本市普通会計における令和6年度の決算状況では、実質収支は黒字を維持しましたが、単年度収支は、2ヵ年連続で赤字となり、経常収支比率は、前年度と比較して1.3ポイント悪化の98.9%となり、財政の硬直化がさらに進んでいる。
こうした状況において、まちの魅力を高め、持続可能な発展をめざすため、財政の健全化を図るとともに、人口減少など時代の変化への対応といった観点のもと、市民サービス及び職員の業務にかかる質の向上と量の最適化により、一層、満足度を高めていく必要がある。
現在、長期財政収支の見通しを作成するとともに、全ての事務事業を対象とした点検により、行政財産の有効活用や業務改善など、新たな行財政改革の具体策を検討しており、これらの取り組みについて、報告する。
収支状況の改善を図りながら、必要な施策を推進していくため、令和6年度決算を踏まえた長期財政収支の見通しを当初予算編成の前段階で作成したうえで、予算を調製する。
- 改定にあたっては、改定前の使用料・手数料に比べ大幅な増額が生じる場合や、周辺自治体や民間事業者等の類似施設の使用料や類似の手数料と比べ均衡を欠く場合、その他、各施設や手数料事務の特性や現状等を踏まえ、調整を行う
長期財政収支の見通しでは、実質収支の減少とともに、財政調整基金残高が減少し、令和18年度の基金残高は、40億円となる。義務的経費の増加により、経常収支比率が上昇する見込みのなか、将来にわたって持続可能な都市経営としていくため、新たな行財政改革にも取り組み、令和8年度以降毎年10億円の効果額を目標とし、財政調整基金残高の確保を図る。
また、令和8年度当初予算編成において、適切な予算枠を設定のうえ、財源のより効果的な配分を行う。
- 令和7年2月作成見通しとの比較
・令和7年8月作成(再掲)
- 行財政改革の取組による効果額の反映
令和8年度当初予算編成に向けて、財源確保策や、事務事業の見直しを図るとともに、スクラップアンドビルドを徹底し、より効率的・効果的な行財政運営に取り組む。
中長期的な取り組みとしては、引き続き、既存事業を見直すとともに、公共施設マネジメントによる施設の維持管理コストの縮減を図る。また、「投資的経費の投入や基金の適正管理の考え方」「各補助金の必要性や補助金制度における所得制限のあり方」「受益者負担における減免制度や市内・市外の料金区分のあり方」などについて検討し、時代の変化に合わせた最適化に向けて取り組む。
「行財政改革」の本気度は??このままでは、ゆでガエルになりかねない!
行財政改革プラン2024の個別改革課題である「使用料・手数料の見直し」及び「来庁者・利用者駐車場の有料化に向けた検討」について、令和7年5月開催の総務委員協議会における案件「行財政改革プラン2024における令和7年度の主な予定について」でいただいたご意見を踏まえ、この間、使用料・手数料については、点検及び見直しの検討を行っており、駐車場については、利用実態など、状況把握を行うとともに、事業者へのサウンディング結果等も踏まえた検討を進めている。
今般、使用料・手数料の点検及び見直しの検討結果、駐車場の有料化に向けた検討内容について報告する。
使用料
対象施設の維持管理に要する経費を基本とし、1室あたり、または、1人あたりの単価を算出のうえ、公の施設の性質別に、公費と受益者との負担割合を勘案して算出
手数料
当該事務に係る費用を基本とし、1件当たりの事務処理時間による人件費と物件費等の必要経費を合算して算出
①基準に基づく算出
試算の結果、現行の使用料・手数料との乖離率が基本1.1倍を上回る場合は、見直し検討の対象とする。ただし、乖離率が1.1倍を下回るものの、市内類似施設との均衡を図る必要があるなど、各施設の個別事由がある場合は、見直し検討の対象とする。
②他市等との均衡
使用料については、大阪府内の中核市(平均値)との比較を基本に、均衡を図る。なお、類似施設が中核市に少ない場合は、比較対象を拡大する。また、自動車駐車場については、本市近隣施設も含める。
③その他、個別事由による調整
各施設や手数料事務の特性及び現状を踏まえ、必要に応じ、個別の調整を行う。また、自転車駐車場及び自動車駐車場については、事業収支の改善、民間施設との料金バランスについて検証する。
点検・見直しの結果
上記、3点の点検・見直しの考え方に基づき、見直し対象の選定と、改定予定額を設定した結果、使用料は34施設のうち15施設、手数料は59種類の事務のうち1種類の改定を予定。
なお、「使用料・手数料に関する設定基準」に基づく統一的な見直しのサイクルを設定することとし、今後は、大阪府に準じて4年に1度見直しをする。
令和7年12月 | 定例月議会に関係条例等の改正案を提出 | ||
令和8年1月〜 | 市民への周知を開始 | ||
10月〜 | 改定後の料金を適用 |
対象施設は、現在、来庁者・利用者用駐車場の有料化が導入されていない全ての市有施設を基本とするが、「主に障害のある方が利用する施設」「駐車場の設置目的が送迎等による短時間利用の施設」「日常的な市民の利用が想定し難い施設」は、検討の対象外としている。
また、駐車場運営事業者へのサウンディングの結果、概ね駐車台数が5台以下の施設や、駐車枠前面距離の不足など、施設の構造上、有料化の実施が困難な施設は、有料化を見送る。
上記の結果、有料化の検討対象となる施設は、次の表のとおり。
以下に示す「来庁者・利用者用駐車場の有料化に関する考え方(平成27年11月作成)」に基づく目的と視点に照らした検討を行っている。
目的1 市有財産の有効活用・受益者負担
目的2 駐車場管理の適正化・・・目的外利用や長時間利用等の課題解決を図る
視点1 利便性・・・公共交通機関によるアクセス
視点2 収益性・・・有料化の際に市として採算が取れるか
視点3 公共性・・・市民サービスを提供しながら良好な住環境を守る観点
視点4 公平性・・・同地域や同種の施設間における公平性の観点
※ 利用者が共通の駐車場を使用する施設をまとめて記載している。
「目的2 駐車場管理の適正化」の観点から、北部支所など複数施設が利用する駐車場や、東部公園の駐車場において発生している駐車待ち(満車状態)の課題を解決していく必要がある。
また、「視点2 収益性」の観点から、事業者へのサウンディングの結果、収益性が見込めないと診断された施設の取り扱いや、「視点4 公平性」の観点から、同種の施設間における取り扱いや各施設の利用実態を踏まえた適切な減免時間について検証を行っている。
令和7(2025)年 12月 | 目的外使用許可等による有料化の手続きに着手または定例月議会に関係条例改正案を提出 | ||
令和8(2026)年 1月〜9月 | 駐車場運営事業者募集(公募)、事業者との契約締結、駐車場整備工事の実施、市民への周知 | ||
10月 | 有料化を実施 |
市内在住の外国人市民等については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、令和3(2021)年までは減少傾向だったが、令和4年以降は年間600人から800人程度のペースで増加しており、令和7(2025)年6月末時点で6,721人、外国人比率は約1.7%となっています。また、令和6(2024)年6月には「育成就労制度」の創設を含む改正出入国管理法案が可決され、今後、日本に長期在住する外国人市民等の増加が見込まれる。
本市の「国際化施策に関する考え方」においては、多文化共生を基本方針としており、外国人に対する相談体制の強化が必要と考えている。
こうした本市を取り巻く環境の変化を踏まえながら、さらに国際化を推進していくために、今般、外国人相談窓口機能の強化に向けた取組について報告する。

数字は各年12月末日現在
本市としましては、外国人市民等の状況や、職員へのヒアリング※、他市視察の結果などを踏まえ、外国人市民等に対し在留手続や雇用、医療、福祉、出産、子育て、教育等の生活に係る情報提供及び相談対応を多言語で行うことができる相談窓口を、国からの外国人受入環境整備交付金を活用して令和8(2026)年度に開設していく。
具体的には、今年度から既に市民相談の機能を有する「広聴相談課」が中心となり、本市の状況に適した窓口対応方法や対応言語等の具体的な検討など、準備を進めて行く。
また、相談内容が多岐にわたることから、関連する担当課と連携して、一元的な対応を図っていく。
これまで本市での外国人市民の対応については、各窓口において個別に対応してきたほか、広聴相談課内の市民相談コーナーでは、家庭問題や近隣トラブルなどの生活相談に対して、担当職員による助言や専門機関への案内を行ってきたが、コミュニケーション方法の違いによる不安を解消して、より円滑な相談が可能となるよう、外国人相談窓口の機能を強化し、一元的な対応を行っていく。
令和7(2025)年度(9月以降) |
以下の取り組みにより、本市における外国人市民のニーズ把握、応対ノウハウの蓄積、課題の抽出する
|
||
令和8(2026)年度 | 外国人相談窓口の開設(予定) |
今回の総務委員協議会は、4つの案件。
残念ながら私は欠席で、やり取りに参加できませんでした。
今回の総務委員協議会においても、議論の中心は「行財政改革」でした。市民への有料化や料金の値上げを進めるにあたり、「受益者負担」を大原則とする考え方が強く見受けられます。しかし、仮にすべての負担を受益者に求めるのであれば、地方自治体の存在意義はどこにあるのでしょうか。使った分だけ個人に請求する仕組みでよいのであれば、税金を徴収して公共サービスを提供する自治体の役割は不要になってしまいます。どのようなまちを目指すのかは、市民自身が決めるべきことです。だからこそ私は、限られた財源の中で「何をこの市の中心に据えるのか」をまず丁寧に議論すべきだと考えます。その議論なしに負担だけを求めるのでは、市民一人ひとりが笑顔になれる自治体にはなれないのではないでしょうか。