話さないままでは、後悔が残る ― 終活と人生会議のリアル

枚方市議会議員の ばんしょう映仁 です。

 

 2025年8月初旬に、このような文章が担当部署から発信されました。

枚方市は「わたしの思い手帳」と「終活まるわかりガイド」を発行!

枚方市は「わたしの思い手帳」と「終活まるわかりガイド」を発行しました。

枚方市では、尊厳ある最期を迎えるために、医療やケアの希望を事前に考え、信頼できる人と共有する「人生会議」の重要性を踏まえ、枚方市医師会と連携し講演会などを実施するなど啓発に努めています。

冊子については、市内の地域包括支援センターや街かどデイハウスで配布され、市ホームページからもダウンロード可能です。

 

 

 

話さないままでは、後悔が残る ― 終活と人生会議のリアル

 国としても「人生会議(ACP)」の普及に力を入れ、枚方市でも全戸配布の冊子や広報を通じて取り組みが進められています。しかし、こうした制度や情報があっても、実際に家族や身近な人と話し合う機会を持てている方は、まだ多くないと思います。

 私自身、父の死を前にして、改めてその大切さを痛感しました。元気なうちに思いや希望を言葉にし、共有しておくことが、どれほど本人と家族を支えるか――。

 今回は、お盆ということもあり、その経験も踏まえ、「終活」と「人生会議」のリアルについてお伝えします。

 

  終活と人生会議のリアル 
  1. 「まだ元気だから大丈夫」では遅い
  2. 横須賀市「わたしの終活登録」
  3. 父の最期に感じたこと
  4. 今日からできる一歩

 

 

1.「まだ元気だから大丈夫」では遅い
終活は“今を安心して生きるための準備”

 「終活」と聞くと、「まだ先のこと」「年を取ってから考えればいい」と思われる方も少なくありません。しかし、病気や事故、災害など、意思を伝えられなくなる瞬間は、ある日突然やってくるかもしれません。

 終活は“最期のための準備”ではなく、“今を安心して生きるための準備”です。

 自分の価値観や希望を整理することで、日々の選択にも自信と安心感が生まれるのではないでしょうか。

 

自分の価値観や希望を整理することで、日々の選択にも自信と安心感が生まれるのではないか。

 私は市議会議員として、「終活」や「人生会議」は高齢者だけのテーマではなく、若い世代や子育て世代も含め、誰もが話し合える環境をつくる必要があると訴えてきました。

 

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2.横須賀市「わたしの終活登録」
死後事務委任 ― 万一のときに本人の意向を尊重しやすく

 例えば、横須賀市では「わたしの終活登録」という制度があります。これは、死後事務委任に相当する仕組みで、本人が事前に意思や希望を登録し、行政や関係者がそれを活用できるものです。

 もし枚方市にも同様の制度があれば、万一のときにも本人の意向を尊重しやすくなります。

 私は議会で、このような制度の導入を求めてきました。
 

横須賀市「わたしの終活登録」

 万一のときに本人の意思を代わりに伝えるため、市が終活情報を保管・照会に応じる制度

✅ 登録できる情報(選択式・無料)

  • 緊急連絡先

  • 医師・アレルギー情報

  • エンディングノートの保管場所

  • 葬儀・遺品整理・献体の契約先

  • 遺言書の保管場所と開示対象者

  • お墓の所在地

  • その他自由項目

👤 登録できる人

  • 横須賀市民なら誰でも

  • 所得・資産制限なし

  • 本人の意思が明確であれば、後見人・親族・知人も登録可能

🏛️ 情報の開示先(本人の同意に基づく)

  • 病院、消防、福祉事務所、警察

  • 本人が指定した照会者(例:親族、支援者)

 

 

枚方市でも、一部スタート。。。「縁ディングサポート事業」

 私の訴えもあり、枚方市では、身寄りのない高齢者の方が、住み慣れた地域で最期まで安心して生活ができるよう、見守りや安否確認サービスをはじめ、預託金をお預かりした上で、入退院時の支払い代行お亡くなりになった後の葬儀、納骨、家財処分、行政官庁への届け出等を行う「縁ディングサポート事業」事業が2024年10月から始まり、2025年4月には対象者を拡充しました。

 

 

 

 

3.父の最期に感じたこと
父の意思を尊重した選択ができたはず

 私の父は、死の淵にあるとき、すでに認知症を患っており、意思を直接確認することはできません。

 最後の延命治療はどこまで?葬儀は?お墓は?

 もし、元気なうちに本人の希望をきちんと記録し、家族や医療関係者と共有できていたなら、もっと父の意思を尊重した選択ができたはずです。

 「まだ元気だから大丈夫」という考えが、一番危険です。

 日常のうちに話し合っておくことこそが、本人と家族の後悔を減らします。

 

 

 

4.今日からできる一歩
小さな一歩が、将来の大きな安心に

 終活や人生会議は、大きな決断から始める必要はありません。

小さな一歩が、将来の大きな安心につながります。

 

「エンディングノート」も無料配布中

 枚方市では、エンディングノート兼 健康情報誌を無料配布中です。

 

🏛️ 配布窓口

 

 

 

 

一人ひとりが笑顔、ひらかた万笑!

 

 

最後に ― 私もまだ、書き出せていません

 長文、お読み頂きありがとうございました。

 今回の「備え」は、自分のためであり、大切な人のためでもあります。私としては、枚方市の誰もが安心して最期まで笑顔で暮らせるまちとなるよう、私は制度づくりと周知活動にこれからも取り組んでいきます。

 

 実は、正直に言えば、私自身もまだエンディングノートを書き出せていません。

 それでも、このテーマを何度も取り上げるのは、「必要だと分かっているのに、つい後回しにしてしまう」という多くの人の気持ちを、私自身も痛いほど分かっているからです。

 話さないままでは、後悔が残る。

 だからこそ、今日から、家族や大切な人と一つだけでも話してみてください

 

 

 

「人生会議」「終活」「エンディングノート」これまでの情報・ばんしょうの発言

 

2024年11月26日 枚方市議会 市民福祉委員協議会

 

2024年8月26日 枚方市議会 市民福祉委員協議会

 

2024年6月21日 令和6年6月議会 一般質問

「終活」「人生会議」を誰もが話し合える環境づくりを!
お一人おひとりが自分自身の生き方を改めて考える機会に!