「昭和の価値観からの脱却」が遅れている自治体か?〜11/22枚方市議会 総務委員協議会

枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。

 11月22日、枚方市議会「総務委員協議会」に委員として出席し、発言して参りました。 

 私の質問の一部とその趣旨を掲載します。(実際の口語からは、少し変更しています)

 

 

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枚方市野外活動センター。大赤字だが、それを乗り越えて継続していく意義は?

 

 

 

 総務委員協議会 案件 
  1. 令和7年度の入札・契約制度について
  2. 地域未来投資促進法における大阪府枚方市基本計画(第2期)について
  3. 市立枚方宿鍵屋資料館の指定候補者の選定について
  4. 野外活動センターのリニューアルに向けた取り組みについて
  5. 地方公共団体における公金収納のデジタル化(eLTAXの活用)への対応について

 

案件の概要は、こちらの記事に記載しました。

 

 

1.令和7年度の入札・契約制度について

 枚方本市では、これまでも、入札・契約過程の公平性、公正性及び透明性を高め、もって競争性の確保及び向上を図るとともに、適正な履行確保と事務の効率化を目指して、入札・契約制度の検討を行い、必要に応じて制度改正を行ってきており、令和7年度から実施する予定としている制度改正の内容を報告する。

 

 

入札不調の根本は人手不足のようだが。。。
1)入札不調・中止対策
  • 建設コンサルタント等業務の制限付き一般競争入札における入札参加件数制限の撤廃
  • 制限付き一般競争入札の対象の拡大
2)担い手の確保及び適正な競争の確保に向けた取組について
  • 同時受注防止方式の拡充
  • 労働者賃金の原資を確保する金額による入札に向けた取り組み
  • 低入札価格調査制度の対象拡大

 

 

「安かろう悪かろう」という事業者が増えてしまえば、持続可能な社会にはなっていかない!

①ばんしょうの質問

「安かろう悪かろう」になっていかないか?

 2)③低入札価格調査制度について、今回対象になった工事(舗装工事、造園工事)は、どの事業者の積算も同じになってしまう工事だということだが、工事後は、地域の方からの品質面でのお叱りの声は実際にある

 出来上がりの品質をどのように担保するのか、「安かろう悪かろう」にならないためにどのようなことをしていくのか?

①市の答弁

チェックリストを見直し、施工品質を担保する取り組みを改善している

 監督検査を職員で行っている。11月からチェックリストを見直し、施工品質を担保する取り組みの改善を行っている。

 

②ばんしょうの質問

省人化などの先進事例の採用も必要ではないか?

 では、入札全般について聞く。例えば、AIなどの新しい技術を使って、省人化を行うなどの先進事例の採用も必要と考えるが、新たな技術の獲得に投資している事業者にその機会を提供する仕組みも一方で必要なのではないかと考えるが、こういった取り組みは行われているのか?

②市の答弁

監督検査でICT技術の活用を進めている

 監督検査には、ICTを含めて新たな技術の習得などに取り組んでいる。(番匠:噛み合っていない)

 

 

 

ばんしょうの視点

 社会的責任を果たすという意味で、労務費が適正に確保されていることは当然のことです。

「安かろう悪かろう」という事業者が増えれば、持続可能な社会にはなっていかない!

 できあがり品質をどのように確保するかについては、原課が見回り対応することになっているとする現状の延長でいいのかと思います。「安かろう悪かろう」という事業者が増えてしまえば、公平性・公正性の課題を抱えますし、本来の持続可能な社会にはならないのではないかということも含め、できることを考えていただきたい。

 

 

 

 

 

 4.野外活動センターのリニューアルに向けた取り組みについて

 枚方市野外活動センターは、小・中学校における団体生活を学ぶ宿泊体験および野外活動を通じて青少年の健全育成を図ることを目的とした教育訓練キャンプ場として、昭和45年に開設。平成4年にはより多くの市民に利用いただけるよう、市民の余暇の活用及び健康づくりを図ることを目的として、メインホール(管理研修棟)、ステラホール(天体観測棟)やロッジなどの施設の
整備を行った。しかし、その後約30年以上が経過することで設備は老朽化が進み、今後の運営に必要なインフラ設備には多額の費用を要することに加え、施設の利用形態も現在のニーズとは乖離している状況

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案件の詳細、他の議員の質問等はこちら⇒

 

今後の野外活動センターのあり方検討を、市が保有・運営する意義も含めて、スケジュール感をもって進めること。

①ばんしょうの質問

昭和的なノスタルジーが漂う設置目的が現在も続いている

 野外活動センターは、小・中学校における団体生活を学ぶ宿泊体験および野外活動を通じて青少年の健全育成を図ることを目的とされているとのことで、昭和的なノスタルジーを感じる。

枚方市内外の学校の利用状況は?宿泊利用は?

 参考資料の利用者数の推移では、学校(園)利用として利用者数も示されているが、枚方市内外の学校の利用状況はどれぐらいあるのか、宿泊利用も含め、もう少し具体的な情報を教えていただきたい。

①市の答弁

枚方市内:小学校16校、中学校3校=計19校が利用。宿泊はなし。(令和5年度)

 参考資料で示した利用者数は、市内外を問わず、学校(園)の団体として利用した利用者数。令和5年度の利用者数1,670人のうち、枚方市内の小学校が16校、中学校が3校の計19校、1,395人が学校の校外学習などで利用いただいた。その他、市内幼稚園や保育園など5団体85人にご利用いただき、市外団体の利用は8団体、190人となっている。

 また、利用団体のうち、市外団体の2団体のみが宿泊で利用いただいた。

 

 

ばんしょうの視点

枚方市野外活動センターは、市内の小中学生が少ない現状では、公共施設として今後も維持していく理由に乏しい

 そもそもの存在目的である「小・中学校における団体生活を学ぶ宿泊体験および野外活動を通じて青少年の健全育成を図ること」であるにも関わらず、市内小中学校の利用は、かなり少ないですし、現状、市民の認知度はそれほど高くないのではないでしょうか。

 また、市内の学校は日帰りのみということであるならば、施設規模がマッチしていないようです。また、高速道路が近いということで、市外からの利用も考えられるかなと思いましたが、現状そうではないようです。

 市内の小中学生が少ない現状では、公共施設として今後も維持していく理由に乏しいようにも思えます

存在意義の再定義が必要ではないか

 また、枚方市の1番端にあるため、いいも悪いも、一般の市民からそこまで行かなければ、どのように活用されているか見えない施設ですので、まずは何らか知ってもらう、関わってもらう機会を作る必要があり、存在意義の再定義と思い切ったマーケティングが必要ではないでしょうか。

 ただ一方で、山の中で水を使える施設であり、トイレも一定確保されていることは、可能性はあるようにも考えています。

今後のあり方検討を、本市が保有・運営する意義も含めて、スケジュール感をもって進めなければならない。

 市としてもこのような認識はあるようですので、今回のサウンディングでは時間をかけて、民間事業者に対して幅広く意見を聞くということですが、サウンディング結果が出たら、今後のあり方も含めた対応案の検討を、本市が保有・運営する意義も含めて、スケジュール感をもって進めていただくことを要望しました。

 

 

一人ひとりが笑顔、ひらかた万笑!

 

 今回の総務委員協議会の私の発言をまとめました。今回の発言のテーマは「昭和の価値観からの脱却」。入札は無限に労働者が仕事を待っている前提ですが、すでに積算業務をこなせる人や作業者が減っているのではないでしょうか。また野外活動センターの設置目的にもびっくり。そこからズレている。早く脱却せねば、市民一人ひとりを笑顔にならん!仕組みのアップデートがかなり遅い自治体の一つなのではないかと疑い始めています。