令和6年3月議会 代表質問2-2子育て支援、教育の充実〜こども家庭センター・学校ZEB化・働き方

枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。

 2024年3月4日に行いました令和6年3月定例月議会の代表質問の項目2-2をまとめました。

子どもたちにとって、よりよい教育環境を整備する!

 

 

 

2.子育て支援、教育の充実について

 

  1. 待機児童「通年のゼロ」について

  2. 子どもの遊び場の充実について

  3. 不登校児童・生徒への支援について

  4. まるっとこどもセンターの開設について

  5. 教育大綱について

  6. 学校施設のZEB化について

  7. 学校の働き方改革について

 

 

4)"まるっとこどもセンター"の開設について

 

①ばんしょうの質問

母子保健課と子どもの育ち見守り室"となとな"が一体となり『まるっとこどもセンター』が4月発足。人員体制は?

 こ先月の教育子育て委員協議会及び市民福祉委員協議会で"まるっとこどもセンター"について示されました。"まるっとこどもセンター"は、母子保健課と子どもの育ち見守り室"となとな"が一体となり、様々な専門職員により相談支援が行われるということだが、まず"まるっとこどもセンター"の人員体制は?

 また、"まるっとこどもセンター"は、母子保健機能と児童福祉機能が一体的に支援を提供するということですが、どの世代に対してどのような支援を行うのか。若者の支援についてはどう考えているのか?

①市長の答弁

"まるっとこどもセンター"は、改正児童福祉法により新たに創設された「こども家庭センター」

 "まるっとこどもセンター"は、改正児童福祉法により新たに創設された「こども家庭センター」であり、母子保健と児童福祉が一体的に支援を提供するもので、センター長の下、母子保健と児童福祉の双方の業務に十分な知識を有し、俯瞰的に判断することができる統括支援員を配置する。また、保健師をはじめ、社会福祉士精神保健福祉士心理士等の専門職員を配置し、妊娠、出産から子育て期や就学以降、おおむね18歳まで切れ目のない支援を行う

統括支援員のもと、保健師、社会福祉士、精神保健福祉士、心理士等の専門職員を配置する

 現在、不登校やひきこもり等の子ども、若者については、"ひきこもり等子ども・若者相談支援センター"において、30歳代までの子ども・若者の相談や支援を行っていますが、"まるっとこどもセンター"設置後も引き続き、同センターで継続して支援を行う

 

 

 

 

 

 
 
ばんしょうの視点

ブランドを変えるなら、今後特徴ある事業の推進の検討をしては?(腹案あり⇒)

 母子保健と児童福祉の双方の業務を担っていくとのことで、30歳代までの子ども若者支援も引き継ぐとのことでした。これまで培ってきた支援体制をより充実させて頂きたい。せっかくブランドも変えるなら、特徴ある事業の推進の検討をしてみては?と考えます。(孤独孤立対策でのアプローチを提案)

 

 

 

 

5)教育大綱について

 

①ばんしょうの質問

教育大綱に「力強く生き抜く」という言葉を入れる必要性は?

 総務委員協議会では、市長の発信する教育大綱(案)が示された。

 「枚方市教育大綱の策定にあたって」の中では、「今日の教育の最大の使命は、〜 未来社会を"しなやかに生き抜く"力を養うことであると考えます。」とあり、また一方で、教育方針重点方針1-2では「変化の激しい社会においても、"力強く生き抜く"ために。」とされている。「しなやかに生き抜く」はある程度、理解できますが、「力強く生き抜く」とは「勝ち抜く」というようにも聞こえる。どういうことなのか?

「不登校を未然に防ぐことに力を尽くす」とは具体的に?

 また、重点方針3-2 では、「不登校を未然に防ぐことに力を尽くす」とされていますが、具体的にどのようなイメージなのか?

 

 

①市長の答弁

「力強く生き抜く」は、子どもたちの競争を前提にした「勝ち抜く」といった意味合いで用いているものではない

 重点方針1にある「生き抜く力」については、学校生活を「生きる力」に加え、自身の生涯を生き抜いていける力、「社会を生き抜く力」の育成を表現したものです。

 予測困難な時代において、枚方のこどもたちに、学力はもとより、問題を発見し、解決する能力等を育成することで、さまざまな可能性に挑戦し、自分らしく、社会をより豊かに「生き抜いていく力」を身に付けてもらいたいという想い。

 

子どもたちにとって安全・安心な居場所となる学校づくりを進めること

 また、重点方針3-2の「不登校を未然に防ぐ、ことに力を尽くす」については、子どもたちにとって安全で安心できる居場所となるような学校づくりと、子どもたちがSOSを出しやすい環境づくりを進め、そのSOSに対して迅速かつ適切に対応していく。

 
 
②ばんしょうの質問

教育大綱に「力強く生き抜く」という言葉を入れる必要性は?

 (それでも「力強く生き抜く」入れておきたいことの意味が分からないようなので、)「教育大綱」とは、公教育の目標や施策の根本となる方針を定めるものだと認識していて、枚方の教育の根幹に存在してしまうものでなので、あえてしつこく言うが、「力強く生き抜く」という言葉はやっぱりそぐわないと思う。

 全員が勝ち続けることはできないのではないでしょうか。高校野球で例えてみると、夏の甲子園に参加しているチームの半分は1試合目で姿を消します。勝ち続けるのはたった1チームです。それぞれのチームで話し合って、それぞれの目的を持って参加するのが、現代のスポーツなんだと思う。

 また、オランダの市民教育で、まず教えられるのは、「自ら助けを言う力」「自分の感情を大声を出したり、暴れたりすることなく言葉で表す力」「自分が嫌なことにノーと言う力」だそうです。こういう力が、本質的に社会を生きる力なのであり、決して本質的には「力強く生き抜く」必要はないのではないか?市長の見解を再度求める。

 

 

 

②市長の答弁

将来直面する課題に、自ら考え、対応できる能力を身につけてほしいという思い【力強く生き抜く】

 予測困難な時代において、将来、子どもたちが直面する課題に、自ら考え対応できる能力を身につけることで、様々な可能性に挑戦できる機会が広がるものと考えている。

 あわせて、重点方針には、誰一人取り残されない教育の実現を掲げており、子ども自らの力では解決が困難な課題に直面することも想定されますので、一人ひとりに寄り添った支援にも取り組んでいく。

 
ばんしょうの視点

 私としては、理解してもらおうと一生懸命に例えを考えただけに、残念な答弁でした

こどもたちに自身の生き方・考え方を押し付けるな!

 私は、市長の生き様そのものを否定するつもりはないんです。教育において、これからの人生を自ら創っていこうとする枚方の子どもたちに、ご自身の生き様を押し付けるようなことになっていないかと言っているのです。

公教育の基本は『お互いを対等に「自由」な存在として認めあうこと』(苫野一徳)

 教育大綱を作る根拠となっているのは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第一条の三が根拠になっており、「地方公共団体の長は、国の教育基本計画を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱を定めるものとする。」とされています。国の教育基本計画には「力強く生き抜く」という言葉がない以上、「その地域の実情」で入ってきた言葉に、実情とは違うのではないかと私が言っていることについては、真摯に耳を傾けるべきではないでしょうか

 

不登校になった理由は多様。「不登校を未然に防ぐ」ことは難しい。

 「不登校を未然に防ぐ」については、「子どもたちがSOSを出しやすい環境づくり」は一定理解するところですが、文部科学省の令和2年度不登校児童生徒の実態調査にあるように、例えば中学生の「最初に行きづらいと感じ始めたきっかけ」としては、約28%で「先生のこと」、約23%で「自分でもよくわからない」と回答していることからも、かなり多様だということを忘れないでいただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

6)学校施設のZEB化について

 

①ばんしょうの質問

学校施設のZEB化の取り組みにおいて、その目的と手法は?

 市政運営方針では、「省エネルギー化を推進するため、更新期となる教室の空調設備をCO2削減効果の高い機器へと入れ替え、照明器具をLED化するなど、学校施設のZEB化に取り組みます」と述べられた。ZEBとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの略称で、快適な室内環境の実現にあわせて、建物で消費する年間の一次エネルギーの削減を図ることを目指した建物だ。

 この学校施設のZEB化の取り組みにおいて、その目的と手法について聞く。

①市長の答弁

市有施設の大半を占める学校のZEB化で、脱炭素社会の実現に貢献していく

 目的は、国の方針や本市が策定した「枚方市役所CO2削減プラン」に基づき、本市の市有施設の大半を占める小中学校において、省エネ化、ZEB化の取り組みを進めることで、脱炭素社会の実現に貢献していくもの。

 手法としては、教室等の空調設備の更新時に高効率機器の導入照明設備のLED化を行うとともに、建物の断熱化などZEB化達成に必要な改修に取り組んでいく。

②ばんしょうの質問

その手法によるZEB化の達成の見通しは?

 学校施設のZEB化について、その目的と手法については分かった。私としても、温室効果ガスの排出量の削減に取り組むことは、非常に意義があることだと考える。

 それでは、空調更新時の高効率機器の導入や照明設備のLED化等により、ZEB化を進めていくとのことだが、その手法により、ZEB化の達成が可能なのか?その見通しについて聞く。

 

②市長の答弁

大阪府公民連携制度を活用した可能性調査等にて検証している

 ZEB化の達成に向けては、教室等の空調更新事業に係る検討業務大阪府の公民連携制度を活用した可能性調査等にて検証を行っており、高効率機器の導入及び照明設備のLED化により、概ねZEB化の達成が見込めることを確認している。

 引き続き、築年数や建物構造等による傾向についても分析を行い、学校施設のZEB化の取り組みを進めていく。

ばんしょうの視点

教室空調の更新、LED照明化で市有施設の大半を占める学校施設のZEB化を推進

 地球温暖化対策に向けた取り組みは、世界共通の課題として取り組みが進められており、本市においても、「2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロ」をめざすことを宣言しています。

 こういった背景の中、脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一つとして学校施設のZEB化を推進すること、加えて教育環境の充実に向けても教室等の空調設備の更新、照明設備のLED化は重要な事業と考えますので、着実に進めていただきますよう要望しました。

 

 
関連するこれまでの情報

 

2024年2月16日 建設環境委員協議会

 

2022年12月15日 一般質問

「2050年二酸化炭素排出量実質ゼロ」を宣言した枚方市。市が市民の先頭に立って!長期的な視点で、コスト意識も持って、今すぐに!

 

 

 

7)学校の働き方改革について

 

①ばんしょうの質問

「学校"自ら"の働き方改革」とは?

 市政運営方針では、「学校"自ら"の働き方改革」という言葉が登場している。「働き方改革」とは非常に幅広い取組だと考えるが、「学校"自ら"の働き方改革」とはどのようなイメージなのか、また学校における働き方改革は今後どのように進めていくのか、併せて聞く。

 

①教育長の答弁

自校の実態に合った取組を、教職員間で対話を繰り返し検討し実行していく

 本市における働き方改革の取組は、今年度より「笑顔の学校プロジェクト」と冠して、学校の主体的な取組に市教委が伴走支援してきた。「学校自らの働き方改革」とは、全校で一律の取組をすることとは異なり、各校が、自校の実態に合った取組について、教職員間で対話を繰り返し検討し実行していく過程から、成果と共に達成感を得、さらなる取組に繋がるというもの。

 今年度は、プロジェクトの参加校は21校に限定しておりましたが、来年度は、プロジェクトの市全体規模での取組をめざしており、より一層意欲的な取組となるよう、サポートしていきたいと考えている。来年度に向けては、すでに2月14日に、管理職と校内推進リーダー等の教職員が共に参加する働き方改革研修を開催し、全校が来年度のアクションプランを作成し各校の取組意欲は高まっている。今後も、プロジェクトの趣旨に則り、各校の主体的な取組推進計画を大切にすることによって、「学校自らの働き方改革」をしっかりと支援していく。

 
ばんしょうの視点

働き方改革は、子どもたちにとってより良い教育環境を整備するため

 教職員自らが働く場を、働きやすい環境にしていくことは、当たり前でなかったようです。この活動が、当たり前化するよう教育委員会には引き続きの支援をお願いしたい

学校長、教職員、保護者、地域社会との目的の共有を!

 ただ、その目的の根幹にある「子どもたちにとってより良い教育環境を整備するため」ということは何度も共有して頂きたいと思います。それが共有できてこそ、教育委員会と学校長、教職員、保護者、地域社会がその目的に向かって、一体となって取り組むことができると考えます。そこに向けては、当然、市長部局においても、それぞれの立場での支援を要望しておきます。

 

 

 

一人ひとりが笑顔、ひらかた万笑!

 

 

 ここでは、まるっとこどもセンター(こども家庭センター)、教育大綱、学校施設のZEB化、学校の働き方改革についての質問をまとめました。子育て教育分野とはいえ、空調設備などで脱炭素を目指す取り組みまで収めてしまいました。公教育として子どもとどう向き合うべきか(公教育は絶対的価値観を基本とする)、どう支えるべきか(子どもたちにとってより良い教育環境を整備する)という信念から質問ができています。全ての子どもが笑顔に!なることを一つ一つ実現していきたい。