枚方市議会議員の ばんしょう映仁 です。
市民の暮らしを支える下水道は、普段は地面の下にあり、なかなか目にすることはありません。ですが、老朽化が進むと道路陥没などの危険が生じることがあります。具体的に、もし管が破損して道路が陥没すれば――
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通勤・通学路が通れなくなる
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緊急車両の通行が妨げられる
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周辺の水道や下水道の利用に影響が出る
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店舗や事業所の営業が止まる
といった、日常生活に直結する大きな支障が生じます。2025年1月に埼玉県八潮市で起きた道路の陥没では、死亡者が出るなど、それ以上の影響が報じられました。
埼玉県八潮市の道路陥没を受けて、国土交通省が全国の自治体に要請した「下水道管路の全国特別重点調査」の結果を9月17日、明らかにしました。
全国的に大きなニュースになっていますが、今回は枚方市の調査状況などをまとめました。
令和7(2025)年1月、埼玉県八潮市で下水道管路の破損による道路陥没事故が発生しました。この事故を受け、国土交通省は全国の自治体に対し、老朽化した下水道管路を緊急点検する「全国特別重点調査」を要請しました。
対象は、内径2m以上の円形または断面積3.14平方メートル以上の四角形(ボックスカルバート)かつ、設置・改築から30年以上が経過【平成6(1994)年度以前に設置・改築】した管路で、特に危険度が高いとされる「優先実施箇所」は、構造や地盤条件が事故現場と似ている場所や、腐食しやすい環境にある場所です。
調査方法は、潜行目視、テレビカメラ調査、打音調査、空洞調査など。全国統一の基準で状態を確認し、危険箇所を早期に発見・修繕することが目的とされています。
下水道管路は、日々の暮らしを支える重要なインフラですが、地中にあるため劣化や損傷が目に見えません。
老朽化が進むと、管の破損や空洞化が起こり、最悪の場合は道路の陥没や浸水被害につながる恐れがあります。定期的な点検と早期の補修は、こうした事故を未然に防ぎ、市民の安全と安心を守るために欠かせない取り組みです。
今回の調査は、まさに「見えない危険」を見つけ出し、未来の安心につなげるための取り組みです。
優先箇所については、令和7(2025)年7月〜8月に潜行目視やマンホールからの目視、打音調査などを実施。
結果は「異常なし」で、道路陥没の危険箇所は確認されませんでしたとのこと。
全国的にも、令和7年8月時点で優先実施箇所約813kmのうち、約730kmで調査が完了。
緊急度Ⅰ(原則1年以内に対策が必要)と判定された延長は約72kmで、空洞が見つかった箇所は早急に対策が進められることになります。
「緊急度Ⅰ」(原則1年以内に対策が必要)と判定された下水道管の延長
- 守口市:4.7km
- 府管理:2.1km
- 大阪市:1.9km
- 東大阪市:340m
- 茨木市:167m
- 堺市:159m
- 大東市:70m
- 高槻市:5m
- 枚方市:ゼロ
大阪府、守口市はで結果報告がWeb上に見当たりません。(2025年9月21日現在)
調査の結果から異常はなかった「優先的に実施すべき箇所」については、持続的に陥没事故を防止する措置として、下水道法第7条の3(公共下水道の維持又は修繕)に準拠し、今後も継続して5年ごとの点検等を実施していくとのこと。
「その他」の対象箇所については、令和7(2025)年9月から令和8(2026)年1月にかけて調査を行う予定です。管内潜行目視調査、マンホール目視調査などが終わり次第、大阪府へ令和8(2026)年2月に報告されます。
下水道は、見えないところで私たちの生活を支える大切なインフラです。今回の調査は、事故を防ぎ、皆さんの安心を守るための大事な取り組みです。これからも、調査や点検の結果を分かりやすくお伝えしながら、安全して暮らせる笑顔のまちづくりを進めていきます。ただまず、今回の点検対象だけが、老朽化箇所とは限りません。地中にある下水管のどこに亀裂があるのか、空洞があるのか、全国の全箇所でないことを証明することは不可能です。さらに、私たちは枚方市内だけで生活しているわけではありません。適切な危機感を常に持ちつつ、全国、大阪府内の状況にも注視しつつ、今後も随時お伝えしていきたいと思います。
汚水管は経年劣化により、今後更に浸入水量の増加も。効果的な調査の創意工夫を!