枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。
2025年8月25日、枚方市議会令和7年9月定例月議会を前に「建設環境委員協議会」が開催されました。
冒頭、副市長からは、前回の委員協議会時の案件であった下水道管路の調査について、現在のところ不具合確認はないとの報告がありました。私としては、他市では調査時に調査員が事故で亡くなられることも発生しているので、まずは安心ているところですが、下水道管の点検は非常に危険性の高い作業であり、何よりも安全第一で確認作業を進めていただきたいと思います。
今回の建設環境委員協議会の協議案件は7件でした。
穂谷川清掃工場(以下、「本工場」という。)は、昭和38年(1963年)の開設以降、ごみ処理行政の拠点として市民の生活環境の保全と公衆衛生の向上を支えてきましたが、令和8年(2026年)3月から枚方京田辺環境施設組合が可燃ごみ広域処理施設を稼働することに伴い、本工場はごみ焼却場としての役割を終える。
現在、既存施設等を含む本工場の今後のあり方とあわせて、稼働停止する第3プラントの利活用及び希釈放流センター業務の見直しなど、より効率的な業務体制の構築に向けて検討を進めており、地域住民の理解と協力が得られることを第一に、地域脱炭素及び循環型社会の実現に寄与する新たな拠点形成をめざして、必要な機能を整備していく。
今後、検討の具体化を進めていくにあたり、取り組みの方向性及びスケジュール等について報告する。

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本工場の今後のあり方
地域脱炭素及び循環型社会の実現に寄与する新たな拠点形成に必要な機能を整理し、本工場の跡地活用に向けた基本的な考え方(以下、「基本的な考え方」という。)を策定する。- 設置地域脱炭素の推進及び国の取り組み強化等に対応する資源循環機能
- 老朽化が進む既存施設のあり方や再配置等による効率的な業務機能
- 災害廃棄物等の一時保管及び周辺道路等のインフラ整備による災害対策機能
- 公民連携による多様な世代の交流や体験等の賑わい創出機能 など
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効率的な業務体制の構築
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第3プラントの利活用
令和8年(2026年)3月末で休止する第3プラントについては、本工場の跡地活用に向けた整備スケジュールが確定するまでの間は、遊休施設とならないよう、これまで本工場が担ってきたびん・ガラス類、小型電子機器、水銀使用廃製品などのリサイクル、粗大ごみのリユースやフードドライブなどの取り組み、施設の現況等を踏まえ、ごみ減量と資源再生の拠点となる(仮称)リサイクルセンターとして利活用を図る。
具体的な内容としては、第3プラントの会議室等を活用し、粗大ごみから選別した再生可能なリユース品(必要に応じて軽易な修繕を実施)や、市民から提供されたリユース品の受付、保管及び展示を行います。また、展示したリユース品については、市民等に譲渡または販売を行うなど、再利用の推進による4Rの普及啓発を図る。なお、リユース品の譲渡については地域密着型の情報サイト「ジモティー」を、販売についてはフリマサイト等の活用を予定しているほか、販売以外にも民間事業者への売払いを検討する。 -
希釈放流センター業務の見直し
本施設は、平成5年(1993年)に淀川衛生工場として竣工し、これまで本市のし尿処理及び収集業務を担ってきましたが、施設の老朽化や下水道普及率の上昇に伴う収集世帯の減少及び点在化といった課題に直面していることから、より効率的な運営をめざして施設の運転管理業務及びし尿収集業務について、以下のとおり見直しを行う。-
運転管理業務の民間委託
年々減少するし尿処理量に比して施設規模が過大となっていたことから、平成29年(2017年)に従来の生物処理方式から希釈放流方式に変更するための改造工事を行っており、さらに、令和2年(2020年)に策定した「希釈放流センター老朽化対策計画」に基づく老朽化対策工事が今年度完了する予定。
これら工事の実施により、処理工程の効率化や、令和15年度(2033年度)までの施設の安定稼働が見込まれるとともに、広域連携による将来的な共同処理を見据えて、本施設の運転管理業務を民間に委託する。 -
収集業務部門の統合
し尿収集世帯の減少及び点在化による収集作業に係る移動時間の増大が懸念されることから、希釈放流センターのし尿収集業務を穂谷川清掃工場のごみ収集部門へ統合することにより、本市の中心に位置し、国道1号等の幹線道路に近接する本工場の立地特性を生かした効率的な収集業務体制を構築する。
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運転管理業務の民間委託
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第3プラントの利活用
令和7年度(2025年度) 夏頃 | 本工場の今後のあり方及び取り組みの方向性について地域関係者等と意見交換 | |
9月 | 定例月議会へ希釈放流センター運転管理業務委託に係る補正予算を提出 | |
11月 |
希釈放流センター運転管理業務委託の契約締結 |
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3月 |
「基本的な考え方」の策定及び公表 |
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令和8年度(2026年度)4月 |
し尿及びごみ収集業務の統合、希釈放流センター運転管理業務委託の開始 |
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以降 |
(仮称)リサイクルセンター開設周知(広報、HP、SNS等)及び運用開始 |
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令和9年度(2027年度) 以降 |
本工場の跡地活用に向けた整備事業に着手 |
各委員の主な質疑(要旨)
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穂谷川清掃工場第3プラントの終了は分かっていたはずで、計画の公表が遅くないか?
⇐ プラゴミ回収など国の施策が広がってきたため
枚方公園駅の西方、枚方宿西見附跡近くに立地する「西口公衆便所(以下、「本便所」という。)」は、昭和28年(1953年)当時、歓楽街であった桜新地周辺における公衆衛生の向上を目的に設置したもので、その後、公共下水道の普及に伴い、平成8年(1996年)に水洗化工事を含めた建替えを行っている。
現在、建替えから約30年が経過し、水洗金具の製造が中止されるなど、継続的な維持管理が困難な状況になっている。一方で、設置当時に比べて周辺の公共施設等にトイレが設置されるなど、本位置における公衆便所の必要性にも変化が生じている。これらのことから、本便所の廃止にあたり、今後の予定等について報告する。
本便所は、枚方公園駅を出発点とし、淀川河川公園、水面回廊及び旧枚方宿等をはじめとする豊富な自然環境や歴史的資源を繋ぐネットワーク内に位置している。
今後、その立地特性を生かした回遊性や賑わいの向上に資する跡地活用を図るなど、地域の意向等を確認しながら具体的な検討を進める。
令和7年度(2025年度) 夏頃 | 本便所の廃止に向けた今後の予定について地域等へ説明 | |
12月 | 定例月議会へ「枚方市公衆便所条例の一部改正」について提出 | |
令和8年度(2026年度) 4月 |
本便所の廃止 |
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夏頃 |
解体工事に係る実施設計委託及び家屋調査(解体工事前) |
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令和9年度(2027年度) | 解体工事及び家屋調査(解体工事後) |
各委員の主な質疑(要旨)
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観光・にぎわいには必要な公衆トイレではないか?
⇐ 昭和28年の設置した頃は、公衆衛生上、必要な公衆便所だった。環境部としては役割を終えたと考えている。 -
「周辺の公共施設等のトイレ」とは?
⇐ 枚方公園駅前、青少年センターなど -
公衆トイレは市内172か所あるという答弁があったが?
⇐ 公園、公共施設も含まれる数。環境部の所管は現在2カ所 -
どういう基準で廃止していくのか?
⇐ 公園のトイレは基準を作っている。特に基準があるわけでなく、光善寺駅前も以前廃止した。
禁野小学校新校舎整備事業は、旧高陵小学校と旧中宮北小学校の学校統合に伴い、新校舎を建設するものであり、令和4年(2022年)6月10日に前田組・浦辺設計共同企業体(JV)と契約締結し、設計施工一括型デザインビルド(DB)方式により事業を進めており、現在、令和8年(2026年)8月からの新校舎での開校に向けて工事を進めている。
この度、受注者より2回目のインフレスライドの請求や、その他内容に変更が生じたので現時点の進捗状況とあわせて報告する。
工期内の急激なインフレーションを根拠に、請負代金の変更を請求することができるインフレスライドについて、令和7年(2025 年)4月に事業者から請求がありました。事業者とは現在、概ね5パーセントで協議を進めているところです。
- 敷地西側法面の排水施設等改修
- 冷媒ガスの仕様変更に伴う対策費
- 非常用発電機
- 地中障害物処分費の追加、残土の処分費減額
各委員の主な質疑(要旨)
- 特になし
令和7年(2025年)3月に改定した枚方市総合交通計画では、「地域公共交通の維持」を施策共通目標に掲げ、公共交通を補完する移動手段となる「地域自主運行型コミュニティ交通」の一つである「ボランティア輸送」について、その基本的な仕組みや導入手続き、ならびに本市の補助制度の拡充内容などを分かりやすく地域にお伝えするための手引きを作成して、水平展開を図ることとしている。
また、同計画では、今後バス路線の廃止時など路線バスに代わる移動手段を導入する必要性が生じた際などにおいては、新たな移動手段の導入についても検討できるよう、道路運送法に基づく「地域公共交通会議」や、市民等を交えた部会の設置など、組織体制の見直しについても検討することとしており、これらの内容について先日開催された「枚方市総合交通計画推進協議会」において協議されたので、その内容について報告する。

拡充案では、人件費など運送に係る費用まで補助対象を拡充
- 現行制度は、主に自動車保険料に助成
➡ 総運行経費の最大9割(上限45万円)を補助
☞ 補助金の上限27万円を45万円に拡大 - 自治会等で1割程度の費用負担が発生
➡ 実費の範囲内であれば利用者から収受可能
- 補助対象者 : 本市に活動拠点を置く自治会・校区コミュニティ及びそれらに関連する営利を目的としない団体
- 補助対象行為 : 最寄りのバス停等を目的地として公共交通の利用促進にも寄与する市内におけるボランティア運送
- 補 助 額 : 運行経費の総額の最大9割(上限45万円)
令和7年度(2025年度)9月 |
ボランティア輸送補助要綱の改正 地域主体による新たな移動手段導入の手引きの公表 |
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1月 | 令和7年度第1回枚方市都市交通会議の開催(設置) |
各委員の主な質疑(要旨)
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現在、交通空白地はないとのことだが、バス路線が廃止されるとできるのか?路線が変更になった場合は?
⇐ 空白地ができる可能性がある -
バス路線の廃止される場合はどの様になるのか?
⇐ 6カ月前に国交省への届け出が必要。そうなった場合は、大きな混乱があることが考えれる -
地域公共交通会議の委員はどのように決まるのか?
⇐ これまで通り、市民公募、コミュニティ協議会推薦なども含まれる。また労働団体も含まれる -
運賃についても協議事項になるのか?
⇐ 協議の必要性が生じた段階で設置を考えたい。運賃は運賃協議会を別立てで設置する -
自主運行型ボランティア輸送はタクシー事業者との連携もありうるのか?
⇐ まずは、既存路線バスとの競合は避けるべきと考えているため、考えていない -
現在路線バスが走っていない地域でも可能なのか?
⇐ 既存路線バスとの競合しない地域は可能 -
ボランティア輸送では、自治会に入っている人だけが利用できるのか?
⇐ 自治会で決めることだと考えている -
現在やっている氷室台での状況は?
⇐ 運転手の確保について課題がある。無料は利用しにくいとの声も聞いている -
地域の方々への周知については?
⇐ コミュニティ連絡協議会での説明、検討する地域には寄り添い対応していきたい
今回の建設環境委員協議会は、どの案件をとっても活発な議論になりました。こんなに長時間の建設環境委員協議会は私的には初めてレベル。課題があるのはいいことだと思いますが、なかなかよい解決策といえないモヤッとした対策になっている状況です。明快で心地の良い施策を出せる経済状況でないことは理解しますが、枚方市民一人ひとりを笑顔するという前提で今後も注視してまいります。