水道・下水道管路の調査を実施。現時点で不具合確認なし〜6/4枚方市議会建設環境委員協議会

枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。

 2025年6月4日、枚方市議会令和7年6月定例月議会を前に「建設環境委員協議会」が開催されました。

 

 冒頭、副市長からは、招提新大池、今池にフロート式太陽光発電設備を設置し、発電した再生可能エネルギーを「ひらかたパーク」・「KUZUHAMALL」で活用することで、ため池発電事業がスタートしたとの報告がありました。

 


 

 

 

 

 今回の建設環境委員協議会の協議案件は4件でした。

 

 建設環境委員協議会 案件 
  1. 枚方市都市計画マスタープラン及び立地適正化計画の改定について
  2. 都市計画道路牧野長尾線及び長尾杉線の整備工事について
  3. 下水道管路の全国特別重点調査及び水道管路の緊急調査について
  4. 新中宮浄水場~春日受水場間の送水管の更新・耐震化工事について

 

 

 

2.都市計画道路牧野長尾線及び長尾杉線の整備工事について

 東部地域における道路交通網の強化を図るとともに、周辺道路の交通混雑の緩和や安全・安心な歩行空間の確保に加え、防災機能の強化を図るため、牧野長尾線及び長尾杉線の整備を進めている。

 今般、令和4年度(2022年度)に工事着手した牧野長尾線(7工区)及び長尾杉線(長尾工区)の整備工事の内容変更について報告する。

 

 

牧野長尾線(7工区)・長尾杉線(長尾工区)道路整備工事
事業の概要及び事業期間
  • 契約期間:令和4年(2022年)6月24 日〜令和8年(2026年)2月27日まで
  • 工事受注者:株式会社中島組
位置図

 

変更内容
  1. 立ち入り防止フェンスの追加
    • 牧野長尾線及び長尾杉線から長尾大池管理用通路へ立ち入り及び不法投棄を防止するため、両路線と管理用通路の境界部にフェンスを設置
  2. インフレスライドによる変更
    • インフレスライド条項に基づく工事受注者からの請求を受け、急激な物価上昇に応じて契約金額を増額変更(具体的な額は6月議会で提案する)

 

 

 

各委員の主な質疑(要旨)

  • インフレスライドによる契約変更ということだが、今後もありうるのか?
    ⇐ 残りの工期2ヶ月以上あるとき、施工者から申し出ることができる
  • 申し出された場合の金額精査はどのように?
    ⇐ 前設計と現在価格との差を確認している

 

 

関連する情報
2024年6月5日 建設環境委員協議会

 

22024月2月24日 都市計画道路「長尾杉線(杉工区)」完成記念式典

 

2022年6月1日 建設環境委員協議会

 

 

3.下水道管路の全国特別重点調査及び水道管路の緊急調査について

 令和7年(2025年)1月28日に埼玉県八潮市で発生した下水道管路の破損に起因すると考えられる道路陥没を受けて、国土交通省では、2月21日に「下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた対策検討委員会」が設置されました。同委員会において、今回と同種・同類の事故を未然に防ぎ、国民の安全・安心が得られるよう、下水道管路の全国特別重点調査を実施すべきとの提言がとりまとめられた。この提言を踏まえ、令和7年(2025年)3月18日付で国土交通省より下水道管路の全国特別重点調査の実施について要請がありました。

 また、令和7年(2025年)4月30日に京都市で発生した水道管の漏水事故では、終日、国道1号が交通規制となるとともに、住宅の浸水被害等が生じた。この漏水した水道管は布設から60年以上が経過した鋳鉄管であったことから、令和7年(2025年)5月7日付で国土交通省より老朽化した鋳鉄管の緊急調査の実施について要請があった。

 本市において、下水道管路・水道管路ともに、これらの調査要請に該当する管路が存在することから、当該調査の実施内容等について報告する。

 

①下水道管路の全国特別重点調査
調査対象:約15.0km(うち優先的調査 約0.9km)

 調査対象は、内径2m以上の円形または断面積3.14m2以上の四角形※(ボックスカルバート)かつ、設置・改築から30年以上が経過(平成6年度(1994年度)以前に設置・改築)した管路。

 本市では、汚水管は最大内径が1.65mのため対象外となりますが、雨水管は約15.9kmが調査対象となります(参考資料1参照)。

 

優先的に実施すべき箇所は7月31日の報告期限までに調査・報告する
  • 優先的に実施すべき箇所は、大阪府への報告期限を考慮し、4月に緊急的に発注依頼手続を行っており、7月31日の報告期限までに調査・報告を実施する
  • その他の箇所については、発注依頼に向けて準備を進めており、令和8年(2026年)2月19日の報告期限までに調査・報告を完了する
  • 調査結果等は適宜報告する

 

 

 

②水道管路の緊急調査

 調査対象は、緊急輸送道路下に埋設している鋳鉄管(ダクタイル鋳鉄管を除く)及び鋳鉄管に付属するバルブや消火栓等となります。

  • 調査対象延長:約7.4km
  • 調査方法:道路上からの目視による巡視、バルブや消火栓等を格納している弁室内の点検
  • 報告期限:令和7年(2025年)5月28日
※ダクタイル鋳鉄管とは

鉄の成分(炭素含有量)や形状(黒鉛形状)に違いがあり、鋳鉄管は硬くて割れやすいのに対し、ダククタイル鋳鉄管はさらに強度や延性があり割れにくいのが特徴となっている。

普通鋳鉄管は1940年頃まで、高級鋳鉄管は1930~1971年頃まで製造されておりました。その間に種々の技術開発が行われ、耐震性能および外面防食能が飛躍的に向上した第4世代である高機能ダクタイル鉄管へと発展してきています。(日本ダクタイル鉄管協会HPより

※緊急輸送道路とは

枚方市域では、国道1号・国道168号・国道170号・国道307号・府道京都守口線の一部・府道枚方茨木線・市道枚方藤阪線の一部(参考資料2参照)

 
調査完了済
  • 5月15日に現地調査が完了し、漏水はありませんでした。
 

各委員の主な質疑(要旨)

  • 下水道管路の調査時の安全対策は?
    ⇐ 天気予報の確認や退避手段など受注者と入念に打ち合わせを行う
  • 道路の下に下水道管路の現場打ちコンクリートのボックスカルバートが多くあると思うが?
    ⇐ 今回も点検箇所に上がっているものは今回、普段からもしっかりと点検していく

 

 

関連する情報
2025年5月16日 本会議 補正予算

 

 

 

 

4.新中宮浄水場~春日受水場間の送水管の更新・耐震化工事について

 本市では、これまでから枚方市水道施設整備基本計画に基づき、重要給水施設への管路、緊急交通路や鉄道敷の直下に埋設されている管路など、災害や劣化などが原因で漏水が発生した場合、社会的に影響が大きい基幹管路の更新を重点的に進めている。

 令和6年度(2024年度)6月建設環境委員協議会で報告した新中宮浄水場から春日受水場までの送水管更新・耐震化工事の受注者が決定した。

 

泥土圧式シールド工法:外径1.8m:延長3.5km 
契約金額:約42.2億円/㈱淺沼組
  1. 工事名:中宮浄水場〜春日受水場間 口径800mm以下 送水管更新工事
  2. 施工場所:枚方市中宮北町〜春日西町2丁目地内
  3. 工事内容
    • 管きょ工:泥土圧式シールド工法(シールドトンネル外径1800mm、仕上がり内径800mm):延長約3.5km
    • 配管工:立坑内及び開削部配管(口径800mm~200mm):合計延長約100m
    • 発進立坑工:1式
    • 到達立坑工:1式
    • 仮設工:1式 他
  4. 契約金額:42億2,950万円(税込み)
  5. 工期:令和7年(2025年)3月31日〜令和11年(2029年)10月15日
  6. 受注者:(株)淺沼組 大阪本店

 

今後のスケジュール
令和6年度(2024年度)〜   準備工、発進立坑工
令和8年度(2026年度)〜   管きょ工(シールド工事)
令和10年度(2028年度)  

新設送水管供用開始

令和11年度(2029年度)  

工事完了

令和11年度(2029年度)〜  

既設送水管撤去(別工事)

 

 

事業費・財源及びコスト

  • 《事業費》 約68.4億円
    • 令和6年度(2024年度)〜令和14年度(2032年度) <継続費>
  • 《財源》 
    • 国府支出金 : 約16.8億円
    • 企業債 : 約46.4億円
    • 損益勘定留保資金 : 5.2億円

 

関連する情報
2024年6月5日 建設環境委員協議会

 

 

 

各委員の主な質疑(要旨)

  • シールド工法については不安があるが?
    ⇐ 今回必要な工法であり、日本国内で多くの実績を積まれている

 

 

 

一人ひとりが笑顔、ひらかた万笑!

 

 

 

 今回の建設環境委員協議会は、直近で大きな事故が発生している水道管、下水道管の維持に関わる案件報告がありました。枚方市内でも年間で複数回の水道の漏水は発生しています。不安を感じておられる市民も多くおられる状況です。市としては、小さな末端の管の更新は抑えつつ、大きな管の更新を進めていく、メリハリある管更新を進めています。更新費用は、水道料金や下水道使用料で賄われており、費用対効果のバランスは考えつつ、安全安心のまちづくりで枚方市民一人ひとりを笑顔するという前提で今後も注視してまいります。