枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。
2024年12月13日に行いました令和6年12月定例月議会の一般質問の項目3をまとめました。
何のための再整備事業なのか?
市民への「未来社会のデザイン」、「市民が笑顔になる提案」に力を注ぐべきだ!
何のための再整備事業なのか?
市民への「未来社会のデザイン」、「市民が笑顔になる提案」に力を注ぐべきだ!
枚方市の駅前がかなり遅れていると感じている。
ここ最近、枚方市駅周辺のまちづくりが停滞していないか?と聞かれる事が増えました。
また、私は9月議会以降、先進都市研修で行った広島駅や監査委員の研修で行った静岡駅などいくつかの大きな駅を利用する機会がありました。そして、今回改めて、枚方市の駅前がかなり遅れていると感じました。既に多くの駅前では、ゆとりある駅前広場で、歩く人優先のウォーカブルな駅前づくりが進められていましたし、大阪市内でも、ほこみち制度を活用した御堂筋やなんば駅前広場で歩行者優先のまちづくりが進められている。
枚方市の状況は、ステーションヒル枚方だのみ…
一方、枚方市駅周辺は、市民としてはステーションヒル枚方がオープンして新しくなった印象があるが、来街者から見たときにどうなんでしょう。北口の駅前ロータリーは万博が終わる頃に完成予定であり、南側には、昭和レトロなロータリーがあり、外装タイルの落下防止ネットが張られた市民会館大ホール、バリケードが設置された旧府民センターがあります。そして、来年7月には、保健所は移転し、また暫定利用されるとのことです。
昭和レトロな枚方市駅南口
外装タイルの落下防止ネットが張られた市民会館大ホール
バリケードが設置された旧府民センター
市長は「万博でのイベントで実際の来訪につなげる」準備をしていると言われているが、自虐的ネタ?危機感があるのか?
市長は「(万博でのイベントで)実際の来訪につなげる」準備をしていると言われましたが、この状況を考えると自虐ネタの一種と考えればいいのでしょうか。私としてはどこを切り取っても危機感しか感じません。
今年度末に都市計画決定の予定だったが、その見通しは?
さて、市駅周辺再整備基本計画では、今年度末には都市計画決定するスケジュールだったと認識していますが、現在の見通しは?
都市計画決定の時期を延期せざるを得ない
本年2月の全員協議会において示した、まちづくりのスケジュールの中で、④⑤街区の土地区画整理事業をはじめ関連都市計画決定の時期を今年度末としている。庁舎位置が確定しない中、未だ都市計画の手続きに着手していない現状において、都市計画決定の時期を延期せざるを得ない状況です。変更後のスケジュールについては精査の上、改めてお示しする。
都市計画決定は、延期予定で、今後改めてスケジュールを示すとのことでした。残念ですけど、まあそういうことだと受け止める。
現庁舎はいつまで使うのか?耐震性能は?
しかしそうなると、この現庁舎。例えば今年の夏に空調の故障が発生したり、夏場は1階で汚水の臭気が漂ってしていたり、さらには、耐震性の課題も耳にすることもある。これまでの市議会では、庁舎位置には賛否があるものの、一刻も早く新庁舎を建設しなければならないということは、一致した議論だったと感じている。
しかし、仮に今日、位置条例が可決されたとしても、手続きや解体、設計、工事の期間を考えると完成までに10年ほどかかる計画となっている。新庁舎位置の確定が見えない中、さらに遅れることを想定すると、私も現庁舎を使い続けることに不安を感じずにいられない。
この現庁舎をこのまま使い続ける上で、耐震補強などの課題についてどのような認識しているのか?
平成18年度に本館、平成20年度に別館において、耐震補強工事を実施
現庁舎は、平成18年度に本館、平成20年度に別館において、耐震補強工事を実施しており、工事実施後の耐震性能を示す指標であるIs値は本館で0. 62、別館で0. 61となっている。
耐震補強時の設計目標は「人命の安全確保が図られている程度」防災拠点としての目標値ではなかった
国土交通省が示す官庁施設の総合耐震計画基準の大規模災害時における防災拠点としての目標Is値は、通常確保することとされる0.6に重要度係数1.5を乗じた0.9となっているが、当時、庁舎機能を確保しながら補強工事を実施する条件や、新庁舎の建て替えの検討もあったことから、「大地震後、構造体の部分的な損傷は生じるが、建築物全体の耐力の低下は著しくないことを目標とし、人命の安全確保が図られている」とされるIs値0.6を目標として耐震工事を行った。このため耐震の課題を抱えていることと、議員指摘の老朽化に伴う不具合が増加して空調設備や外壁など多くの課題を抱えている状況となっている。
早期の建て替えが必要と認識している
このため早期の建て替えが必要と認識しているが、それまでの間は、必要に応じ修繕等を行いながら、適切に維持管理をしていく。
耐震補強後の平成30年大阪北部地震でも一定のダメージが既にあるのではないか
現庁舎が行った耐震補強は、ギリギリの数値を狙ったものであり、余裕度が取れなかった。しかもその後、平成30年大阪北部地震でも一定のダメージが既にあることも考えると、今後とも心配し続けていかざるを得ない。
④街区に庁舎を建てた場合の国費額、道路整備の課題とは?
では、次に新庁舎位置について聞くが、市はこれまで、庁舎位置の比較表を全員協議会で示し、⑤街区庁舎案の優位性を強調されているが、④街区に庁舎を建てた場合に、どのような課題があるのかを改めて確認したい。
まず、国費額が低くなるとされているが、これはなぜなのか?
また、道路整備が課題とされているが、その理由を合わせて聞く。
民間投資誘導がなければ、国費が実施対象額の2割程度の配分にとどまる
④⑤街区の土地区画整理事業においては、社会資本整備総合交付金等の活用を想定している。この交付金においては、大街区化や公有財産の有効活用などにより民間投資の誘導に資する事業に対して、重点配分を行う方針が国から示されている。
令和6年2月の全員協議会では、④街区旧市民会館の跡地付近に新庁舎を建てた場合においては、道路・公園等の整備及び既存建築物の移転除却等の事業費を約70億円としてお示ししたところです。旧市民会館の跡地付近での建て替えとした場合、新庁舎に付帯する公共施設整備と見なされ、民間投資の誘導が見込めないことから、国が示す重点配分事業に該当しない可能性がある。道路等他事業の国費配分実績を踏まえて、対象額の2割程度の配分にとどまると想定し、約3億円と示した。
「来庁者用」や「公用車用」等の駐車場台数を増やす計画で、交通量の増加を想定している
次に、道路整備の課題ですが、新たな庁舎においては、分散している庁舎機能の集約等も踏まえ、新庁舎整備基本構想において、「来庁者用」や「公用車用」等の駐車場台数を248台から310台に増やす計画とするなど、交通量の増加を想定している。
現庁舎付近の道路は狭隘であり、交通処理上脆弱性があるものと認識しており、新庁舎を④街区に建てた場合、車両の通行機能や歩道の確保などの基盤整備が必要になることや、その基盤整備に必要な事業用地については基本的に任意取得となるなど、実現性に課題が生じるものと考えている。
コスト比較では、国費に10数億円の差が発生するようだ
コスト比較については、10数億円の差があるとのことだが、あくまで見込みを前提に再度理解した。
また、スポーツ・運動習慣による健康まちづくりの象徴としてのウォーカブルな回遊性をつくるべきと考えている私としては、市役所関係の車が今より多くの集まるということならば、中心部から外側に配置する⑤街区案は方向性として私の考えに近いのかも知れない。
副市長は、まちづくりが停滞している現状をどう認識しているのか?
それでは、最後にしますが、市として現時点で、何が決められて、何が決められないのか端的に聞かせて頂きたい。またその中では、新庁舎位置が確定しなくても、進められることがまだ他にもあると考えるが、いかがか?
そして、まちづくりが停滞している現状をどう認識しているのか?まとめて担当副市長にお聞きする。
③街区では、市街地再開発事業の認可を経て、国の交付金を確保してきたが、④⑤街区においても、同様の手続きとなる
枚方市駅周辺再整備基本計画では、各街区を関連付けながら連鎖型のまちづくりを進めることを、計画の実現に向けた方策としている。この方策に基づき、③街区では、市街地再開発事業の認可を経て、施設規模などの具体化を進め、国の交付金を確保してきましたが、④⑤街区においても、同様の手続きとなる。
国の交付金の動向も含めご提示できる内容や考え方を整理し、議会や市民の皆さまにお示しして、ご理解いただけるよう努めてきた
まず、まちの骨格を形成する緑の大空間や新たな道路などの公共施設の配置に加え、土地利用等のまちの基本的な方向性を決めること、また、有利な財源を確保する為にも土地区画整理事業の認可を受けて事業計画を定める必要がある。
その後、市有地の有効活用に向けて民間事業者等を公募する際などには、土地区画整理事業の施行者が行う仮換地指定により、権利の移転先や面積、使用時期がおおむね定まっていることが必要。このことについては都市計画決定後、数年程度を要すると考えている。その後、国の交付金については年度ごとに要望し、配分額が確定していくことになり、いずれの事項も今後の事業とともに進めていくので、全てを決めることができない。現時点では、最近の動向などを踏まえ、ご提示できる内容や考え方を整理し、議会や市民の皆さまにお示しして、ご理解いただけるよう努めてきた。
喫緊課題と認識、庁舎の建替えを実現し、本市の中心市街地の活性化を成し遂げたい
次に、連鎖型のまちづくりが停滞しているのではないかとの指摘については、市役所の庁舎等の老朽化などが進行する中、新庁舎の建設や市街地の再整備を進めることが喫緊の課題であり、国・府・市の公有財産を有効活用しながら、ぜひとも、庁舎の建替えを実現し、本市の中心市街地の活性化を成し遂げたいと考えている。
新庁舎の位置を早期に確定し、まちづくりを進めることに全力で取り組む
そのためにも、まずは、新庁舎の位置を早期に確定し、まちづくりを進めることに全力で取り組む。
次の庁舎の位置条例の採決は、今後の市の行く末に大きく関わることだが、すっきりとするかも知れない。
庁舎の位置条例の再提出に取り組むとのこと。次に⑤街区案が否決されたらこれまで積み上げたものは本当に終わります。市長は政治生命をかけると言っていた訳ですから、これですっきりするかも知れません。私としても議員として、再度本気で立ち向かう必要があります。
枚方市駅周辺地域が都市再生緊急整備地域に継続指定され、令和11年まで延長されたこと(12月10日閣議決定)が、国のホームページに掲載されていましたし、市は本日、ホームページに「枚方市駅周辺再整備と新庁舎整備に関するこれまでの経緯」として膨大な経過をまとめ、アップされています。アップされた時期(一般質問期間中)はさておき、一定の覚悟と受け止めました。
何のための再整備事業なのか?
市民への「未来社会のデザイン」、「市民が笑顔になる提案」に力を注ぐべきだ!
現状、庁舎建替えとまちづくりをセットで考えている以上、庁舎の位置が決まらないと事業が進められないのは、一定の理解はします。ただ一方で、市民への「未来社会のデザイン」、「市民が笑顔になる提案」になっていないのが、一番の問題であり、私がこれまで指摘し続けてきたところです。位置条例可決に全力を尽くすのなら、ここに力を注ぐべきだと改めてお伝えしました。
また、枚方市駅周辺再整備は、本市のスケールで語るのではなく、せめて北河内の中でどのような役割を果たして行くべきなのかという広域的、長期的な視野を持って取り組むことも要望しました。
市長の口癖のような「活性化」という言葉では、事態を打開できません!
最後に、市長は「活性化」という一部の人にしか響いていない言葉にこだわるのではなく、より多くの市民との「共創」で、未来志向の新たな価値観を創造し、発信を"政治生命を掛けて"行っていただきたいと要望しました。
市民が笑顔になる市役所とは?と考えることがもっと必要だ!
市民を広く包摂できるような考え方が不十分ではないか?
全員協議会では、一刻も早く新庁舎を建設しなければならないというのは、一致した議論だった
枚方市駅周辺を「健康・スポーツ」のまちとして再開発することで、市民みんなを今も未来も笑顔にできる!
今回の質問は、枚方市駅周辺の再整備事業。ステーションヒル枚方(ひらかたモール、カンデオホテルズなど)が完成し、いよいよ次の市役所庁舎の建て替えを進めねばならないのですが、一度否決された移転条例(なぜ議会に諮ったのかとい問題もある)をどう短期間でひっくり返すつもりか?私としては、市長に考え方を改めるようお伝えしてきたつもりですが、一切変えるつもりないようです。市民として、なんでそこに引きずられなきゃならんのか(怒)。今も未来も市民が笑顔になるプランを示せ!と何度でも言います。