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循環型社会の実現に向けた先進都市研修〜さいたま市「桜環境センター」

枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。

 1月17~18日には、枚方市議会 建設環境常任委員会 先進都市研修で東京都豊島区、埼玉県さいたま市に行ってきました。今回は、さいたま市のごみの取り扱いの取り組みについて私の驚きと課題認識をまとめました。

 

 

さいたま市「めぐるまち(循環型都市)"さいたま"の創造」

 

さいたま市
2001年に3市合併で誕生、政令指定都市

 さいたま市は、平成13(2001)年5月に旧浦和・大宮・与野の3市合併により誕生、平成15(2004)年に政令指定都市へと移行、平成17(2006)年には旧岩槻市との合併している。

 

 

 

焼却灰の最終処分比率が2.8%!これはすごい!?
「桜環境センター」で行われていたこと

 さいたま市では、平成27年度以降、焼却灰の最終処分量が大きく減少しており、環境省「一般廃棄物処理実態調査」(令和2年度実績)によると、同市におけるごみの最終処分比率は2.8%と非常に少なく、政令指定都市で2位の高水準を誇っています。これは、焼却灰や破砕残渣を溶融処理して資源化することが可能な「桜環境センター」が平成27年度に整備されたことが、大きく寄与している。

 焼却灰の一部はセメントや人工砂の原材料として、また、残渣物は、溶融処理(スラグ化)した後、公共工事で使用するアスファルト混合物や改良土等の土木資材の一部とするなど、有効利用が図られている。また、同センターでは、ごみ焼却施設やリサイクルセンターのほか、3Rや地域の環境を学べる環境啓発施設、ごみを焼却する際の熱エネルギーを回収して利用する余熱体験施設(大浴場やプール等)があるなど、循環型社会を楽しみながら体感してもらうこともできます。

 

さいたま市、施設管理者の職員さんからの説明前に、委員長として訪問趣旨と御礼の挨拶をしました。

 

さいたま市は、人口が推計値より大きく増加 ⇒ ごみ排出量もコロナ禍で(一時的に)増加

 さいたま市の⼈⼝は、令和3(2021)年10⽉現在で約133万⼈。平成24(2012)年から令和3(2021)年にかけて約8.7万人増加(約7%増)している。令和3(2021)年度実績では、推計値を大きく上回る

 

 

 

市民一人当たりの家庭系ごみ排出量は減少傾向

 令和元、2年の一時的な増加は、令和元年東日本台風被害、コロナ禍の影響とのこと。

 

 

 

さいたま市は山がない。埼玉県は海がない。最終処分場の考え方の違い

 平成27(2015)年に「桜環境センター」が供用開始すると同時に最終処分比率が大きく減少。市内他の焼却炉の焼却灰も持ち込んで溶融での最終処分量を抑えている。

 これは、さいたま市の最終処分場の容量アップが見込めないことからとのことです。

 

 

 

さいたま市は市街地が広大。「迷惑施設」の考え方

 一定の緩衝緑地があるものの、やはり市街地に隣接しており、またし尿処理施設だったことや埋設廃棄物などこれまで経緯も含めて、慎重に進められてきたようです。そして、人口が増え続けていることによる税収の上振れ効果もあっての対応と理解しました。

 

 

 

 

さいたま市「桜環境センター」

 

ごみの適正処理×環境保全対策×循環型社会の構築

 

  • 施設概要
    • 敷地面積:51,850.26m2(甲子園球場1.35個相当)
    • 建設:平成24(2012)年着工、平成27(2015)年竣工

 

 

熱回収施設
シャフト炉式ガス化溶融炉方式(日本製鉄製)

 ごみの焼却とコークスを使った高温溶融炉の機能が一体となった竪型シャフト炉。スラグとメタルが液体で出てくる(出湯)。

  • 施設概要
    • 処理方式:シャフト炉式ガス化溶融炉方式(日鉄エンジニアリング㈱)
    • 規模:380t/日(190t/日×2炉)
    • 発電出力:8,700kW(MAX)

 

 

 

 

その土地々々でメリット・デメリットの捉え方が異なる

 

ストーカ炉(枚方市保有施設)とのメリット・デメリットをまとめてみました

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リサイクルセンター
課題は同じ。「リチウム電池は入れないで!」

 基本的に手選別を行うことも変わらないと思いました。ただ、工場が一体化しているため、プラスチック容器包装の回収で混入した焼却ゴミはベルトコンベアで焼却施設のピットにそのまま運びこまれていました。

 

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余熱体験施設・環境啓発施設
ただの清掃工場に留まらない充実ぶり

  私たちが訪れてた際は、公園ではグラウンドゴルフを楽しむ姿、またビオトープを含めた多目的広場があり、駐車場は200台(障害者用駐車場5台)収容可能。

 

「余熱体験施設」住民サービスへの徹底ぶりに驚き!

  大浴場、スタジオ、ウォーキングプール、トレーニングルーム、カラオケルームなどが60歳以上なら市民は100円で一日楽しめる施設。

 

 

 

「環境啓発イベント」も積極的に実施されているようだ

  前日の豊島区の公園でもそうだが、私が思っている以上に生物多様性などの環境保全活動が積極的に行われていることは実感としてあった。

 

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一人ひとりが笑顔、ひらかた万笑!

 

 清掃工場のあり方1つから、「地域性」、「立地性」というものを感じた視察になった。枚方市の立地状況や周辺自治体のこと、枚方市民のこと、もっと勉強して最適な未来を創っていくこと、それが一人ひとりを笑顔にするということだと強く感じました。

 また、前日の豊島区の公園でも様々なワークショップが行われていたが、あまり関心を持たなかった反省も含めて、関東では関西に比べ、「環境」に敏感なのではないかとの仮説ができました。私としては、より環境課題を啓発する発信をしていく必要があるように感じた視察になりました。

 

 

 

浦和はサッカーのまち!
駅ロータリーには、浦和レッズの看板、歴代選手の足形も。

 当日の池袋駅から移動した浦和駅前ロータリーには、「サッカータウン」、「We are REDS!」浦和レッズの看板、歴代選手の足形も。

 看板によると、明治41年(1908)埼玉県師範学校 に細木志朗教諭が赴任。 ゴールを手作りしながらサッカー を指導、教え子が県内各地に着任。 こうしてサッカーは埼玉県内に広く普及し、その後浦和の高校サッカーは、全国優勝を重ねた。埼玉県師範学校校舎(鳳翔閣)は 浦和のサッカーの象徴として浦和レッドダイヤモンズのエンブレム に採用されているとのこと。

 

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