枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。
10月23日の枚方市議会 決算特別委員会での令和4年度決算の審査。私の質疑の不登校支援の項目をまとめました。
私の質疑項目は下記の通りです。
質問と答弁を要約しました。(実際にはそれぞれ2、3度質問しています)
引き続き、子どもたちの選択肢を増やす取り組みを!
不登校支援について、令和4年度予算特別委員会で確認したものですが、その実績を確認する。
決算概要説明書に、教職員研修講座等開催経費が計上されてます。このうち、不登校支援の観点を踏まえた教職員研修について概要および実施状況は?
敏感で繊細な気質の子どもについての理解を深める研修などを実施
令和4年度の不登校支援に関する研修としましては、令和4年度生徒指導主事研修および養護教諭研修の合同研修として、「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)と呼ばれる、周りからの刺激を過度に受けやすい敏感で繊細な気質の子どもについての理解を深め、人権尊重の精神に立った子ども理解を推進するために、教職員としての対応力や連携・協働して行動する力の向上を図ること」を目的とし、市内全小中学校の生徒指導主担者、生徒指導主事、及び養護教諭の126人を対象に令和4年11月に実施した。
なお、教職員研修講座等開催経費には含まれていないが、毎月の小中生徒指導連絡会などで、臨床心理士を講師に招き「生徒指導にカウンセリングの視点を生かす」などのテーマの研修等、不登校支援に関する研修を行った。
現実として、現在、枚方市全体で約1,000人の児童・生徒が、様々な要因により学校へ登校できない不登校の状態にあると聞いている。そのような、多様な背景を持った不登校児童・生徒への個々の状況に応じた支援等を周知するための取り組みについて、令和4年度は具体的にどのような手立てを講じたのか?
「不登校支援ガイド」「不登校児童・生徒を支援する民間施設に関するガイドライン」を策定した
いわゆる教育機会確保法に基づく不登校の支援や相談窓口と学校以外の学びの場についての周知を目的とし、令和4年度に「不登校支援ガイド」「不登校児童・生徒を支援する民間施設に関するガイドライン」を策定したところであり、市ホームページへの掲載・学校への周知を通じて、適応指導教室「ルポ」やフリースクール、様々な相談窓口などの紹介を行っている。また、これらの資料は教職員用タブレット端末からもすぐに見られるようにすることで、教職員への周知徹底を図っている。
子どもたちの選択肢を増やす取り組みを続け、子どもたちの真の笑顔につなげて頂きたい
不登校児童・生徒が増え続けている中、不登校状態の子どもを持つ保護者の不安は計り知れないものがあると思いますし、当事者である子どもたち自身の不安な気持ちをどうにかしてあげたいと本当に思っています。そうした中で、令和4年度は「不登校支援ガイド」を作って、公開して頂いたことには、改めて感謝しています。
1つ要望しておきます。2月のHIRAKATAこどもすまいるプロジェクトで展示があった"5感を心地よく刺激する空間を作る"『センサリールーム』を試験導入を考えてみませんか?落ち着くための空間と時間があれば、教室に戻れる子どもも多いと聞きます。学校への試験導入は先進的な取り組みではないかと思う。
まだまだ、直近の報道では、不登校への理解がない他市の首長もおられることに驚きましたが、本市においては、様々な子どもたちに寄り添い、子どもたちの選択肢を増やす取り組みを続けていただき、子どもたちの真の笑顔につなげて頂きたい。
障害の有無に関わらず、一緒に楽しみながら、スポーツ・運動の楽しさや多様性を学ぶイベントを開催!
多くの人の日常にスポーツがある風景は、みんなを笑顔にする!
子ども見守りシステムの運営経費が約727万円と比較的大きな額が計上されているが、子ども見守りシステムは令和3年度に構築され、令和4年度から運用を開始していると聞いているが、まず、このシステムの概要と導入目的について、確認の意味を込めて聞く。
「子ども見守りシステム」は、子どもに関する福祉や教育などの情報を連携し、一元的に把握するシステム
「子ども見守りシステム」は、総合的、継続的、重層的な支援を届けるため、より的確なアセスメントや支援方針を立てるために必要となる子どもに関する福祉や教育などの情報を連携し、一元的に把握するために構築したもの。令和4年度からは庁内10部署で所管している11システムに連携を行い、運用を開始している。
それでは、令和4年度については、実際どのようなときに活用され、どのような効果があったのか伺います。
虐待通報があったときなどに、瞬時に情報収集がおこなえる。より早い段階でのアセスメントやアプローチが実施できるようになった
「子ども見守りシステム」につきましては、虐待の通告等があったときに、必要な支援策を検討する際に活用しており、令和4年度の児童虐待通告件数は830件となっている。
効果としては、システムを導入するまでは、子どもに関する情報について、推測の上で、電話やメールなどにより調査を行っており、情報収集に早くても約2時間、場合によっては翌日になることもあったが、このシステムでは子どもに関する情報を一元的に閲覧できることから、瞬時に情報収集がおこなえ、より早い段階でのアセスメントやアプローチが実施できるようになった。
あわせて、情報収集に要する時間を短縮できたことにより、支援が必要な子どもやその家庭への訪問、関わりや関係部署との協議の時間など、支援に直結する業務により多くの時間をかけることが可能となり、児童虐待の早期対応や未然防止に繋がっている。
「子ども見守りシステム」により、子どもの気持ちに寄り添った早期対応や未然防止に向けた取り組みに期待している。
一方で、個人情報の漏洩リスク管理の徹底を要望する。
令和4年度の児童虐待通告件数は830件でその時々で子どもの状況を確認しているとのことで、システム構築の必要性と大変な効率化ができたことも分かりました。このシステムにより、子どもの気持ちに寄り添った早期対応や未然防止に向けた取り組みに加え、情報の適切な使用という観点もよろしくお願いしておく。
今回のシステムは、連携の範囲が広く、瞬時に多くの情報を得られるということは、個人情報の漏洩リスクについては、非常に大きなものとなります。複数の部署で活用されているようですので、誰がどのように使っているのかなど、改めて情報漏洩リスク管理の徹底を要望しておきます。
情報共有にかかる時間を短縮し、子どもとその家庭に対する支援・相談への対応の迅速化をはかり、また、教育相談や虐待相談、発達相談などの相談記録をシステム内でデータベース化することで、あらたな課題の早期発見・早期対応や予防的支援の実現を目指しています。
不登校支援は私が議員なってからのテーマです。全国では30万人に迫る勢いで増えています。枚方でも約1,000人になっています。もし、今悩まれている方がおられてもこれだけいることにまずは安心してもらえればと思います。一人ひとりを笑顔にする!取り組みを、ここでは増やしていきたい。